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最近のエントリー

犬の膀胱炎

09年07月28日

膀胱炎は犬に比較的多い疾患であり、症状としては、痛みを伴う頻尿や排尿困難がみられます。しかし、散歩のときに少量ずつ排尿をしながら歩く習性の犬では膀胱炎をみすごしてしまうことがあります。また、膿尿といって炎症のために尿が白濁したり、粘膜からの出血があれば血液が混じり血尿となります。
膀胱炎はさまざまな原因により発生します。雌犬では細菌感染によるものが多く、他に結石、腫瘍、外傷などが原因になることもあります。一方、雄犬では前立腺が細菌感染に対する防御機能をはたしているので、雌よりも細菌感染による膀胱炎は発生しにくい傾向があります。しかし、慢性的な前立腺の疾患があると細菌感染をおこしやすくなります。このように、膀胱炎といってもさまざまな原因から起こってきます。上記のような症状が愛犬にみられたら、できるだけ早期に動物病院にご相談ください。

肥満

09年07月23日

「肥満は万病の元」と人でも言われているように、動物においても肥満は、関節や椎間板の異常、循環器障害、呼吸器障害、皮膚病、糖尿病、高脂血症、高血圧、膵炎等の様々な病気の原因となり、また外科手術や麻酔時の危険性も高まります。
肥満の原因の多くは、やはり食餌の量が多すぎるということです。特に、食餌をいつでも摂れるよう常に置いているといった状況では、カロリー過多になる傾向があるため注意が必要です。また、避妊や去勢手術後もそれまでと同じ食餌量を与えておられる方も要注意です。避妊や去勢でエネルギー消費が減少して基礎代謝量が低下するため、以前と変わらない食餌量を与えている事が肥満の原因となることもあります。一方で、副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症など、食餌の量は適切であるにもかかわらず肥満になるケースもあります。
ダイエットのためには、やはり食餌制限と運動です。しかし急激な食餌制限は肝臓に負担をかけるため、徐々に減量していく事が肝心です。食事回数は1日2~4回が望ましいとされています。ダイエットの為にはどのくらいのカロリー量が必要か、などの詳しいダイエット計画は、動物病院にて獣医師と相談し決定する事をお勧め致します。
理想的な動物の体型は、横から見ても肋骨が見えない一方で、触れば肋骨を触る事ができる程度であるとされています。この状態を維持できるよう日頃から太りすぎ、痩せすぎには十分に気をつけて下さい。

Color Dilution Alopecia

09年07月18日

Color Dilution Alopecia(CDA)は、日本語では、色素失調性脱毛症、または淡色毛性脱毛症などと言われています。この病気は非炎症性脱毛症で、希釈された毛の領域に脱毛が起こります。例えばブルー&タンの犬では、ブルー領域のみに症状がでます。原因が、完全に解明されているわけではありませんが、遺伝が強く疑われています。メラニン形成や毛包機能の異常により症状がでると考えられています。異常な巨大メラニン顆粒が出現し、そのメラニン顆粒が、毛母細胞を傷つけ、傷ついた毛包では形成異常や、毛軸の脆弱化をおこします。また、巨大メラニン顆粒は、毛軸内にも運ばれ、そのことによっても毛軸が脆弱化し、簡単に折れてしまうと考えられています。
発症年齢は、4ヶ月から3歳齢が多く、非炎症性と非掻痒性です。散在性の脱毛症から徐々に進行いくことが多いとされています。また、経過と共に乾燥や、脂漏、色素沈着が、伴うことがあり、その結果、掻痒が伴うことがあります。
確定診断は、皮膚検査や血液検査で異常が無いのを確認後の皮膚生検です。
治療は、現在有効な治療法は無く、希釈した被毛領域が全て脱毛するまで、進行すると言われています。保湿や、メラトニンの内服が、現在有効な治療法ではないかと考えられています。
この他にも皮膚症状がないにも関わらず、毛が脱毛したり、折れてしまうことがあります。
気になることがあれば是非ご相談ください。

定期健診

09年07月16日

犬や猫などの伴侶動物たちも人間と同様に健康診断は非常に重要です。特に動物たちは人間と違って言葉で自分の体調を伝えることができず、病気が重症になってしまうまで症状を示さない子も多くいます。また、人間と同じように伴侶動物達も高齢化が進んでいます。高齢化が進むことで心疾患、腎疾患、肝疾患、腫瘍性疾患などが必然的に増えてきます。定期健診を受けることでこれらの疾患を早期発見できる可能性が増えてきます。早期発見が出来れば、治癒または早い段階での進行防止が可能となります。
また、もう一つ定期健診の重要な意義としては、健康なときの状態を把握できる点も挙げられます。病気なったときには検査の結果も異常を示すことが多いのですが、元気な状態での値と比較することで異常なのか正常なのかを判断する場合も多くあります。
健康診断には一般身体検査、尿検査、血液検査、レントゲン検査、超音波検査などがあります。動物種、品種などによって好発疾患の違いががあるので、獣医師と相談して検査をしましょう。

肛門嚢炎

09年07月16日

肛門嚢とは、肛門に向かって4時と8時の位置にある袋で、においの強い分泌物が産生されます。この分泌物は身の保全やテリトリーマーカーとしての役割があると考えられ、排便時や恐怖を感じたときなどに排泄されます。
この分泌物が肛門嚢内に貯留し変敗して粘膜を刺激し、炎症が起きる疾患が肛門嚢炎で、細菌感染が主な原因となっています。肛門嚢炎にかかった犬は肛門部を気にして頻繁にかいだり舐めたりします。また、肛門部を地面にこすりつけたりすることがあります。うまく排出できない状態が続き、排出管が閉塞するとやがて破裂してしまったり、肛門が圧迫され便が順調に排泄されなくなることもあります。
 通常、正常な肛門嚢でも分泌物をためては排泄するのを繰り返していますが、自然に排泄できない場合は空にしてやる必要があります。
肛門嚢炎は、小型の室内犬において発症が多いといわれています。これは、運動不足と排便頻度の制限のために起こると考えられています。また、肥満によって肛門の筋力が低下している犬でも分泌物がたまりやすくなります。肥満の予防・十分な運動が肛門嚢炎の予防には大切です。

犬の前立腺肥大

09年07月11日

前立腺は雄犬の生殖器の1つで膀胱から尿道に移行していく部位にあります。
犬の前立腺肥大は未去勢犬の6歳以上の6割以上におこってくるといわれておりいわゆる老犬病の代表てきな病気です。人では尿道膀胱が圧迫され排尿困難がみられますが、犬では直腸が圧迫される排便障害や痛みや違和感を訴える、血尿を認めるなどが多く人間のように排尿困難は普通おきにくいと言われています。人の肥大は尿道側に肥大をし、犬の肥大は前立腺内側の組織に線維性または線種性の結節を生じ尿道側と反対側の外側に肥大をするためです。前立腺肥大の主な原因は雄性ホルモン(アンドロジェン)がきちんと分泌されなくなり雌性ホルモン(エストロジェン)との間の不均衡が原因とされています。また前立腺肥大と共に前立腺嚢胞前立腺膿瘍もおきることもあり、未去勢の高齢の犬では定期的に前立腺の検査をされることがお勧めされます。治療は雌性ホルモン剤による内科的療法や去勢手術がおこなわれます。内科的療法は雄犬の雌性化や肝炎、再生不良性貧血などの副作用が伴うこともありホルモン剤の常用はさけ、去勢手術が可能な場合は手術を選択すべきであると考えられております。