子犬を迎えたら

当院ではこいぬ、こねこの診療にも力を入れております。
JAHAこいぬ・こねこ教育アドバイザーも在籍しており、飼い方の指導ご相談もいたします。
またパピーパーティーや歯磨き教室も行っています。(新型コロナ禍のため現在行っておりません。近々再開予定です。)

子犬に必要な健康チェック&予防スケジュール

子犬を飼い始めたら、何をすればいいでしょうか?
子犬~生後6ヶ月頃までにしていただきたい、健康チェックと予防スケジュールについてご紹介します。

生後2ヶ月齢頃

はじめての健康チェック

子犬をお迎えし、1週間ほど経過して新しい環境に慣れてきましたら、動物病院で健康チェックをすることをお勧めします。視診、触診などの一般身体検査に加え、検便や先天性の疾患がないかなども併せてチェックしていきます。

1回目混合ワクチン接種

ウイルスなどによる伝染病を予防するために混合ワクチン接種をします。初年度は3回のワクチン接種が必要です。

フィラリア予防開始

フィラリア予防シーズンであれば、子犬もフィラリア予防が必要です。

生後3ヶ月齢頃

2回目混合ワクチン接種

1回目ワクチンから3週間~1ヶ月の間隔をあけて、混合ワクチンを接種します。

生後4〜5ヶ月齢頃

3回目混合ワクチン接種

2回目ワクチンから3週間~1ヶ月の間隔をあけて、混合ワクチンを接種します。

お散歩デビュー

3回目の混合ワクチンを接種してから2週間ほどでお散歩デビューできます。

ノミ・マダニ予防開始

2月中旬頃~12月のノミ・マダニの予防シーズンであれば、子犬もノミ・マダニ予防が必要です。

狂犬病予防接種と登録

狂犬病予防法によって生後91日以上のワンちゃんは、年1回の接種が義務付けられています。

生後6ヶ月齢頃

避妊・去勢手術

繁殖を望まない場合は、ワンちゃん自身の病気予防やストレス抑制、長寿などの観点から、避妊・去勢手術を推奨しています。

予防についての詳細はコチラ

子犬によくある症状

子犬は慣れない環境の中で、体調を崩しやすいことも多いです。
少しでも気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

下痢

環境の変化によるストレス、食べ過ぎによる消化不良、消化器に何らかの病気がある、寄生虫や感染症など、様々な原因が考えられます。元気そうに見えていても、体力や免疫力の高くない子犬は急変することもありますので、ご注意ください。

嘔吐

子犬は消化器官が未発達のため、嘔吐しやすい傾向があります。食べ過ぎ、早食いなどが原因のこともあり、すぐたべるようなら吐いていたとしても心配し過ぎることはありません。ただし、食欲不振があったり、繰り返す場合は病気の可能性が高く、脱水症状を引き起こしやすいため、早めに対処をしてあげた方が良いと思われます。

咳/くしゃみ

咳やくしゃみをしている場合は、風邪(ケンネルコフ)が疑われます。風邪以外にも、くしゃみ症状はアレルギーや鼻炎の可能性、咳は気管の炎症の可能性などが考えられます。繰り返す咳やくしゃみ、その他の症状が出ている場合は、ご相談ください。

しゃっくり

こいぬではしゃっくりは起こりやすく、しゃっくりをしていても基本的には問題ありません。早食いや不安、興奮などによって、横隔膜がけいれんすることで起きます。ただし、咳、えづき、嘔吐などの症状がある場合は、呼吸器疾患や消化器疾患が原因の可能性もあります。

低血糖

ぐったりしている、立ち上がれないなどの症状があれば、低血糖の可能性があります。食事が十分にとれていないことなどが原因です。子犬は急激に成長することからたくさんの栄養を必要としますが。一方で、肝臓の機能が完全に出来上がっていないため血液中の糖分を補う働きができず、空腹時時間が長く続いた場合、低血糖症になりやすい危険性があります。

子犬のよくある疑問

トイレについて

うんちは何回くらいが普通なの?
子犬のうんちの回数は1日5〜6回ほどが基本です。体の成長に伴い、消化吸収能力が高まるため、成犬は1日2~3回くらいが一般的です。うんちの回数が急激に増減した場合、病気のサインの可能性もあるためご注意ください。
食糞をしているのですが、治せますか?
食糞にはいくつかの理由があります。例えば、食事の代わりとして食べている場合、与える食事量が少ない、消化管が未発達のため消化不良によりウンチにフードのにおいなどが残っているなどの理由が考えられます。体重の増減など、体調面で気になることがあれば獣医師に相談が必要です。
生活環境が問題の場合もあります。飼い主様がお仕事などでお家にいる時間が短いと、子犬がウンチと一緒にいる時間が長くなり、食糞に繋がりやすくなります。
しつけをすることで食糞を改善していくことは可能です。ただし、しつけの仕方を間違えるとうんちへの興味をより強めてしまうことにも繋がりかねないため、注意が必要です。
原因によって対処法は変わってきますので、ご不安な場合は動物病院に相談してください。
おしっこは何回くらいが普通なの?
子犬は体が小さいため、膀胱も小さいです。おしっこを溜めておくことができないため、月齢+1時間に1回の頻度でおしっこをするといわれています。3ヶ月齢の子であれば、1日6回ほどです。また、子犬のうちにトイレトレーニングをしておくこ、ワンちゃんも飼い主様もストレスなく日常生活を送っていけます。

ご飯について

離乳後どんなご飯をあげたらいいの?
フードは大きく分けて、ウェットフードとドライフードの2つがあります。年代によって必要な栄養素の量やカロリーが異なってくるため、必ず子犬用のご飯をお選び下さい。また、総合栄養食と言われる、フードと水を与えるだけで必要な栄養バランスを満たしたフードを与えてください。手作り食は、特に成長期において適切な栄養バランスを確保することが容易ではないため、あまりオススメしません。
フードの量や回数はどれくらい?
時期によって変わります。生後3ヵ月までは3~5回、生後3~6ヵ月は3~4回、生後6~1年頃までは2~3回程度が望ましいです。消化器官の発達していない頃は、1回量を減らし、回数を増やしてあげましょう。フードの量はフード外装に記載の1日量を目安に回数で割って与えてください。体重の増減を見ながらフード量を調整してください。

散歩デビュー&トリミングデビューについて

散歩デビューはいつできる?
3回目の混合ワクチンを接種してから2週間ほど必要です。ワクチンを打ってもすぐに抗体価が上がるわけではないためです。子犬の社会化期を考え、お散歩デビュー前は抱っこ散歩で外の世界に慣れさせることも大切です。
トリミングデビューはいつできる?
トリミングサロンデビューは3回目の混合ワクチンを接種してから2週間ほど必要です。トリミングサロンではたくさんのワンちゃん達が来る場所なので、他のワンちゃんとの接触で病原体をもらってしまう可能性も0ではないためです。一方、ご自宅でシャンプーを実施する場合は、念のため1回目の混合ワクチン接種後1週間ほどあけてから行ってください。
当院でもシャンプー、トリミングを受け付けておりますので、ご希望の飼い主様はご相談ください。

日常ケアについて

子犬はいつから爪切りが必要?
爪の伸び方や時期は個体差があるため、いつからというものはありませんが、爪が引っかかってくるようであれば爪切りをしましょう。爪が伸びると神経や血管も伸び、今後爪切りがしづらくなってしまうため、定期的な爪切りをお勧めします。また、爪切りの前に慣らしトレーニングをして、爪切りをする体勢や爪に触られることに慣れてもらうと、爪切りをしやすくなります。爪切りが難しいという方は、当院でも爪切りを行っていますのでお気軽にご相談ください。
子犬はいつから耳掃除が必要?
汚れ方には個体差があるため、耳を痒がっていたり、耳の中が汚れていたら耳掃除のタイミングです。ただし、耳掃除を飼い主様ご自身で行うと耳の中を傷つけてしまう恐れもあります。まずは動物病院にご相談することをお勧めします。
子犬も歯磨きは必要?
生後2〜3ヶ月齢頃までに乳歯28本が生え揃います。その後、生後4ヶ月頃から乳歯から永久歯への生え替わりが始まり、7ヶ月〜1歳くらいまでには42本の永久歯が生え揃います。子犬のうちは歯石が付いたり、口臭がひどいということは稀ですが、だからといって歯磨きをする必要がないわけではありません。今後、成犬になった時にも健康な口腔内でいるためには定期的な歯磨きが必要です。そのため、子犬の頃から歯磨きトレーニングをして、歯磨きに慣らしておくことが大切です。

しつけについて

夜鳴き、遠吠え、無駄吠えなど鳴き声に悩んでいます、どうすればいいですか?
甘えたいときに鳴く「甘え鳴き」は無視を徹底してください。甘え鳴きの要求を受け入れると、鳴き癖がひどくなります。ただし無視しても泣き続けるようであれば、トイレが汚れている、水飲み容器が空、怪我しているなどの可能性もあるため注意が必要です。
寂しさなどから夜鳴きをする子もいます。また、元気があり余っている場合も多いです。そのため、寝る前にたっぷり遊んであげ、寝床を飼い主様のそばに設置するなどの対策を実践してみてください。
甘噛み、噛み癖は治りますか?
甘噛みは狩猟本能や、歯の生え変わりのむず痒さなど、仕方のないものです。そのため、噛まれたくないものは子犬の届くところに置かない、噛みたい欲求をおもちゃを利用して発散させてあげましょう。ただし、子犬が飼い主に対し甘噛みをする対象と学習させないように、人の手や足などの体の一部を使って遊びに誘わないよう注意しましょう。もし手を噛むなどしたら、「痛い!」などとリアクションをして、部屋から1分ほど退出しましょう。噛むと大好きな飼い主がいなくなると学習していき、噛み癖を矯正していくことができます。