予防

動物病院は病気になってから行くところと思われる飼い主様も少なくないでしょう。
しかし、病気にならないように予防する、症状が出る前に病気を早期発見するという大きな役目もあります。各種予防や定期的な健康診断をすることで、ワンちゃん・ネコちゃんの健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間)を長くしてあげませんか?

ワン・ネコちゃんの年間予防スケジュール

ワン・ネコちゃんの年間予防スケジュール

狂犬病予防接種

狂犬病は人も動物も発症すると100%死亡する恐ろしい病気です。
幸い日本ではワクチン接種の義務化により40年以上前に撲滅することが出来ましたが、海外の殆どの国では依然として発生率も死亡率も高い病気です。

日本と海外が身近なものになった現在、海外から来た動物を通しての感染リスクがどんどん高まっており、より一層予防が必要になっています。しっかりと予防しましょう。

狂犬病予防法によって生後91日以上のワンちゃんは、年1回の接種が義務付けられています。忘れずに接種・登録しましょう。

三田市・神戸市・丹波篠山市にお住いの飼い主様は当院で登録代行を行っております。(その他の市についてはお問い合わせください)

狂犬病予防注射料金 2,850円
注射済票交付手数料 550円

狂犬病予防済票

混合ワクチン接種

混合ワクチンで防ぐ病気には、

  • 1)治療が難しく死亡率が高いジステンパー、レプトスピラ病、パルボウイルス感染症
  • 2)犬同士で流行しやすいケンネルコフ
  • 3)犬から人に感染するレプトスピラ病

などがあります。
混合ワクチンは治療が難しいこれらの病気を未然に防ぐのが目的です。また、ワクチン接種をすることで、感染したとしても症状が悪化することを防ぐ目的があります。

子犬、子猫ともに生後16週を超えるまで2~3回接種します。成犬、成猫の接種頻度、種類に関しては抗体価、ライフスタイルによって異なります。担当医にご相談ください。

当院で取り扱っている混合ワクチン(犬)

予防できる感染症 2種 5種 6種 7種 8種 9種 10種 11種
犬ジステンパー
犬パルボウイルス感染症
犬アデノウイルス2型感染症  
犬伝染性肝炎  
犬パラインフルエンザ  
犬コロナウイルス感染症      
犬レプトスピラ症      

※ワクチンの種類により予防できるレプトスピラの型が変わります

価格 3,000円 4,500円 5,800円

当院で取り扱っている混合ワクチン(猫)

予防できる感染症 3種 4種 5種
猫ウイルス性鼻気管炎
猫カリシウィルス感染症
猫汎血球減少症
猫白血病ウイルス感染症  
クラミジア病    
価格 3,300円 4,200円 4,500円

現在製造中止のワクチンも表に含まれています。

フィラリア予防

フィラリア(犬糸状虫)症は、『感染している犬の血を吸った蚊』に刺されることで感染してしまう寄生虫による病気です。

この病気は感染初期の頃は全く無症状ですが、フィラリア成虫が心臓や肺動脈に寄生することにより様々な障害が発生し、慢性の疾患から最悪の場合、死に至る可能性が高い病気です。

正しく予防することで、ほぼ100%の予防効果があります。予防薬には錠剤、チュアブル、注射があります。
月に一度投与するお薬は、体内に侵入したフィラリアが心臓に到達する前に(=蚊に刺されて入った子虫を1か月分まとめて)駆虫する事を目的としています。お住いの地域によって予防期間が異なります。気温表による評価から7~8ヶ月間の予防を推奨しています。近年通年予防をする方も増えています。

フィラリアのライフサイクル

ノミ・マダニ予防

ノミは寄生後24~48時間で産卵し、気温13℃以上で繁殖を繰り返します。寄生されると激しい痒み、皮膚病を起こします。吸血もするので多数寄生で貧血になってしまうこともあります。

ダニは吸血するだけではなく、人にも感染してしまうバベシア症などの病気を引き起こす可能性もあります。
早い時は2月中旬~12月くらいまではマダニが発生がみられます。通年予防が安心です。

ノミが原因でおこる病気
■ ノミアレルギー

背中からおしりを中心として強い痒みを感じます。ノミの唾液に対するアレルギーですので、沢山のノミがついていない場合や一度ノミに刺されただけでも症状が現れる事もあります。

ノミアレルギー
■ 瓜実条虫症

ワンちゃんが痒くて自分の皮膚をなめた時に条虫を含んでいるノミを一緒に飲み込んでしまうと、体の消化管のなかで成長し、下痢や嘔吐等の症状を起こす事があります。感染している場合、フンの中に、条虫がちぎれて米粒のような形で出てくることがあります。

瓜実条虫症
マダニが原因で起こる病気
■ SFTS(重症熱性血小板減少症候群)

マダニが原因でもっとも起こりやすい病気の一つがこれです。この病気は、マダニがウィルスを運んでくる病気で、人がかかると発熱などを起こし、重症化すると死に至るケースもある大変危険な病気です。

■ バベシア症

バベシア属原虫が犬の赤血球に寄生することにより生じる、溶血性貧血が原因となります。いろいろな症状が引き起こされ、治療が遅れると死に至ります。

■ 日本紅斑熱

人が感染すると、39~40度の高熱、頭痛、悪寒、倦怠感などの他、発疹(紅斑)が全身にあらわれます。犬に感染して症状をあらわすか否か明らかではありません。

■ ライム病

ダニに噛まれてしまってできた赤い点が数日~数週間後に現れ、筋肉痛、関節痛、悪寒などの症状を伴うこともあります。この症状は人でも犬でも起こり、犬の場合は足を地面につけなくなるほど関節が腫れることもあります。