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進行性網膜萎縮(変性)

12年01月24日

正常
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網膜萎縮
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進行性網膜萎縮は、網膜の変性がおこり、始めは暗いところでの視力の低下、進行して、全盲となる。
遺伝的疾患とされており、報告されている犬種には、アイリッシュセッター、トイプードル、ミニチュアダックスフンド、秋田犬、ラブラドール・レトリーバー、コッカースパニエル、ミニチュアシュナウザー、コリー、ウェルシュコーギー・カーディガンなど多数報告されています。
症状として、初期には夜に外に行くのを嫌がったり、暗い階段を嫌がるなどの行動の変化が認められます。進行してくるにつれ、光が弱いところでの視力の低下に伴い神経質になったり、動きが慎重になったりします。最終的には明るいところでの視覚も消失してしまいます。
検査としては、眼底の網膜血管の狭小化、反射の消失、眼底のタペタム反射の亢進が認められます。また、網膜電位図が初期の診断に役立ちます。
症状の発症時期は犬種によりそれぞれですが、最終的には視覚が消失してしまう病気で、治療法はありません。サプリメントとして、アスタキサンチンが効果があるのではないかとも言われています。
遺伝性とは異なり、炎症性、代謝性、栄養性によって網膜の変性がおきることもあるので、それ以外の原因疾患になりうるものがないかを精査しないといけません。

猫の血液型

12年01月17日

猫にも血液型はあります(犬もあります)。この血液型が必要な状態は、猫では輸血をしなければならない病気の時です。猫の血液型は、猫ABシステムのみ知られ、A型(A/A)、(A/B)、B型(B/B)型、AB型の3種類の対立遺伝子からなっています。常染色体のメンデルの法則に準じており、A型は、B型に対して、完全優性であります。またAB型は、第3の対立遺伝子として、遺伝するため、AB型同士の子のみAB型が誕生しますので、AB型はとても少ない血液型です。基本的にはA型の猫が大多数をしめ、(60~100%)、B型(0~40%)、AB型が、1%以下と言われております。もし輸血をするなら、この血液型の適合が必要で、AB型は、AB型の血が理想ですが、1%以下の確率であり、用意するのがとても困難ですので、その場合は、抗B抗体力価が低いA型血液を輸血することが推奨されます。

鍼治療

12年01月10日

鍼とは、動物の体の特定部位(穴位)に鍼を刺入し、皮膚や筋肉を刺激する治療法です。
伝統医学において治療とは、穴位を刺激することにより邪気を払い、気血の滞りを取り、経路(※穴位は道のようにつながっており、この道は経路と呼ばれる。気や血は経路に沿って全身を巡るっている。)を疎通させ、陰陽を調節して症状を緩和する行為を言います。現代医学の研究でも穴位を刺針すると特殊な生理的現象が起こることが証明されています。
当院ではこの鍼と電気刺激療法を組み合わせてリハビリテーションを行っています。電気刺激療法は理学療法の中でも一般的に用いられており、筋肉の再訓練、筋萎縮の予防、関節の動きの改善、鎮痛などの効果を期待して行われる方法です。鍼を刺入し、さらに低周波の電気を流すことにより、より効果的に穴位を刺激することができます。
鍼治療の適応としては椎間板疾患や関節炎、変形性脊椎症などがあり、これらの病気における痛みや筋肉の委縮を軽減してあげられます。もし興味がおありでしたら気軽にお問い合わせください。
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