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里親探しから、各種イベント・行事のご紹介。
わんちゃん、ねこちゃんの写真も募集しています。

志学会 月例会
カテゴリー:セミナー
23年09月15日
角膜疾患の病態生理から考える治療のロジック
仁藤 稔久 先生 柏原どうぶつクリニック
今月の志学会の月例会は、どうぶつ眼科クリニックで研鑽を積まれた仁藤先生による角膜疾患についての講義でした。角膜疾患はその激しい痛みからご家族がすぐに気づくために、動物病院では日常的に診察する機会がある病気です。主に角膜に傷をつける角膜潰瘍が多いのですが、皮膚の傷とは病態や治癒過程が大きく異なるため、まず解剖などの基本から立ち返って講義していただきました。
治療のためにはまず確実な検査・診断が必要ですが、フルオレセイン染色やスリット細隙灯検査など画像を用いてわかりやすく解説していただきました。やはり細菌感染があると治癒に大きな影響を及ぼすため、抗生物質の使用は感受性試験なども実施する必要があると再確認いたしました。ドライアイについても分類や治療法について復習できました。日頃から私たちが実施している診断・治療法がさらにアップデートできたと感じました。
日常的に遭遇する病気なだけに、このような基礎から見直す講義はとても有意義でした。先生の幅広い知識・ご経験にも感嘆いたしました。日頃の診察に活かしていこうと思います。
T.S.
8/20 志学会 症例検討会
カテゴリー:セミナー
23年08月20日
志学会 症例検討会
3年ぶりに対面式で開催されました志学会の症例検討会に院長、吉田、中山、大﨑の4名で参加させて頂きました。
コメンテーターには 奥田優教授(山口大学 獣医内科学教室)、板本和仁准教授(山口大学 獣医臨床診断学研究室)の2名の先生をお招きし、活発なディスカッションをさせて頂きました。当院からは、中山「腸管に腫瘤状病変を形成した猫伝染性腹膜炎の2例」、大﨑「猫の甲状腺機能亢進症における両側甲状腺摘出症例の評価および考察」の2演題を発表させて頂きました。臨床経験豊富な先生方からアドバイスや意見を頂き、コメンテーターの先生からは最新情報に基づいた意見を頂戴し、貴重な経験をさせていただきました。
また、他院の先生方から興味深い症例のお話を聞かせて頂き、大変勉強になり非常に有意義な時間となりました。本会で得た知識を持ち帰り、今後の診療に活かしていきたいと思います。
D.N.
志学会 月例会 2023年7月21日
カテゴリー:セミナー
23年07月22日
「犬の多中心リンパ腫の診断」
米地若菜先生(奈良動物二次診療クリニック)
今月の志学会月例会は、犬のリンパ腫の約80%を占める多中心型リンパ腫の診断についてのセミナーでした。
多中心型リンパ腫は、体表リンパ節をはじめとする全身性のリンパ節腫大、脾臓や肝臓などへの浸潤を特徴とし、病理学的詳細および免疫組織学的特徴によりさらに細分化されます。大きくB細胞性とT細胞性に分けられ、一般的にはB細胞性の方が予後が良いとされますが、B細胞性の中でも進行が早いタイプと遅いタイプが存在します。分類により予後や治療法が異なるため、正確な診断が重要ですが、細胞診だけでは診断がつかないタイプも存在し、その場合は組織生検が必要です。
また、ステージ(病期)によっても予後が大きく異なるため、腫大しているリンパ節の部位や数、肝臓や脾臓への浸潤、末梢血や骨髄を評価する必要があります。リンパ腫の動物がしんどいのはただリンパ腫だからではなく、リンパ節の腫れによる圧迫や腫瘍の肺浸潤、DICなどが原因であるため、ステージング(病期分類)により動物がなぜしんどいのかを把握し、治療において何を優先するかを決めることが重要です。
今回の講義により、多中心型リンパ腫の詳細な分類やステージングはリンパ腫のわんちゃんやねこちゃんのしんどさを軽減するためにとても大切であることを再認識しました。
Y.O.