診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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猫の甲状腺機能亢進症の外科手術費用 21年11月27日

猫の甲状腺の摘出手術の費用に関してのお問い合わせが時々あります。症例によって金額に差が出てしまいますが、CT撮影+片側摘出+入院代で14万~(税別)CT撮影+片側2回の摘出手術+入院代で26万~(税別)くらいの目安でしょうか。入院時の状況や上皮正体の状況によって多少費用に差が出ます。決してお安い費用ではありませんが、毎日の投薬から解放され、完治や悪化の速度もゆっくりにできることを考えると、内服療法より外科療法をご検討していただく価値はあるのではないでしょうか。3分の1の猫が片側の異常ですが、片側の場合は特にリスクは極端に低くなります。当院では100個以上の甲状腺摘出を行っていますが現時点ではすべて良い経過をとってくれています。S.S

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猫の甲状腺機能亢進症の甲状腺両側摘出症例 21年11月18日

猫の甲状腺機能亢進症は甲状腺摘出により完治できます。甲状腺には副甲状腺と呼ばれる上皮小体が付着しておりこれがカルシウム濃度をコントロールします。両側甲状腺摘出が必要な場合は低カルシウム血症になり手術後大変になってしまうリスクがあることが手術を行う病院が少ない原因の一つとなっています。上皮小体の付着している位置はそれぞれ異なっています。そのことがさらに手術を複雑にしております。今回の症例は上皮小体が中心部にあり甲状腺が6個に分裂している症例でした。ピンセットの先にあるのが上皮小体です。この猫ちゃんも遠方の飼い主さまで両側摘出でしたが、低カルシウムの問題もなく無事終了しております。近隣の動物病院の先生と密に連絡をとりながら手術もさせていただきます。セカンドオピニオンをご要望の方もご連絡いただけますと対応いたします。この猫ちゃんは14歳でしたが。高齢の猫ちゃんも多く19歳以上の子たちの症例が続いております。S.S

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猫の肥大型心筋症による血栓症の手術 21年11月13日

猫は16%が肥大型心筋症に罹患するという報告があります。特にメインクーン、ラグドール、ブリティッシュショートヘアー、アメリカンショートヘアー、ペルシャで起こりやすいと言われています。心筋が厚くなり進行すると、左心室が狭小化しうっ血性心不全の病態を示します。聴診ではわからないことも多い病気です。また、この病気は動脈血栓症を起こすことでも有名です。血栓症の典型的な症状はいきなり後肢の麻痺をおこし歩けなくなってしまいます。多くの猫ちゃんでは大きな声で鳴き続けることが特徴にあげられます。今回の猫ちゃんは連れてきていただいた段階で後躯麻痺と軽度の肺水腫を起こしておりました。エコーとCTで動脈の後肢に分枝する部分(鞍状部)に血栓が認められたため緊急手術にて摘出いたしました。すぐに肺水腫も落ち着き、まだ完全ではありませんが後肢も動くようになり無事退院いたしました。心臓内に血栓を認めない鞍状部血栓症の場合、摘出することにより良い経過をとることが多いです。後肢が動かなくなり大きな声で鳴きはじめたらすぐに診察していただくことをお勧めいたします。飼い主様のご厚意により猫ちゃんと血栓を掲載させていただきました。

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