診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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いま症状はないけれどアレルギーについて調べてみたい 20年04月15日

アレルギーの検査について、興味を持たれている方が少なくないのではないかな、と日々の診察の中で感じています。

もちろん、アレルギーを疑うような症状があるときには、どこまで原因を考えていくか相談しながら、提案させていただいています。

ただ、特別いま症状はないけれど、積極的に検査をしてみたいというオーナーさんもいらっしゃいますね。いくつかのケースについて、動物アレルギー検査会社さんからの回答をご紹介させていただきますね。

①以前にアレルギー症状があったが今はなし。検査で原因を特定できる?

アレルギー症状が出ていないときにはアレルゲンの暴露を受けていないため、検査の対象となる、IgEは作られないし、反応性リンパ球は血中に出ていません。そのため検査をしても原因をとらえられない可能性が高いです。

ただし、アレルゲン特異的IgEの検査の場合一旦上昇した数値は2-3カ月は下がらないため、その期間であれば原因をとらえることができるかもしれません。リンパ球反応検査では鋭敏に数値が変動するため、症状がなければ検査する意義はありません。

イヌの食物アレルギーの薬80%はリンパ球反応タイプのため、食物アレルギーを疑う場合は症状なければ検査してもひっかからないかもしれませんね。

②症状は出ていないが、アレルギー体質があるかどうか知りたい

アレルギーを起こしやすい体質かどうかを検査することはできます。ただし、アレルギー体質だからといって今後必ずアレルギーを発症するかはわかりません。

●アレルギー体質であるかを大まかに把握したい場合にはアレルギー強度検査

症状が出ていなくても皮膚に何らかの刺激が起こったときにその局所に集まってくるリンパ球がどれくらいの割合で体内に存在するかを調べ、アレルギー性皮膚炎の体質か否かを調べることができます。1年を通して測定値に大きな変動はありません。

●犬アトピー性皮膚炎の体質を知りたい場合

日本では春~秋に環境アレルゲンが飛散します(花粉・ダニ・カビなど)。その時期はそれらに対するIgEが上昇し検知しやすいためアレルゲン特異的IgE検査を実施しても良いでしょう。冬は環境アレルゲンの暴露が少ないため、アレルギー強度検査の実施のほうが良いでしょう。

●食物アレルギーの体質を知りたい

季節に関係なくリンパ球反応検査およびアレルゲン特異的IgE検査を実施すると良いでしょう。ただし、リンパ球タイプの食物アレルギーはほとんど必ず1歳未満から何らかの症状が認められるため、1歳すぎてまったく症状のない症例では実施する意義はないと言えます。

今回は症状のない場合・・という内容ですが、もちろん皮膚症状・消化器、呼吸器のアレルギーを疑うような症状のあるわんちゃんについても、検査について興味のあるかたはいつでも病院に相談してくださいね。

M.K

歯が折れている? 20年03月20日

 ワンちゃん、猫ちゃんの歯は簡単に破折(歯が折れること)します。気付かれず見過ごされ、症状が悪化してから改めて口腔内を確認し破折の存在を知るということも少なくありません。 破折は気付かれずに放置されれば歯髄炎や歯髄壊死をひきおこすこともあります。しかし初期の段階で発見されれば歯の保存が可能であることが多く日常の口腔内のチェックによる早期発見が重要です。

 破折では露髄が認められるかどうかは重要な観察すべき点で肉眼的な判断が容易なこともあれば咬耗や摩耗などにより露髄の判断が難しい場合や歯石の沈着により露髄の有無の判断が困難になっていることも多いです。このような場合は麻酔下での判断が必要になります。

 破折により露髄を引き起こすと口腔内に歯髄が露出し、常に口腔内細菌にさらされることになります。場合によっては激しい痛みを伴うため露髄があればなるべく早めの治療が推奨されます。

 人の破折の原因は転倒落下やスポーツ交通事故などの事故がほとんどであるのに対し犬の破折の原因はわかっているもののうち 9 割以上が 『硬いものを咬んだ』ことによるものです。硬いものとしては ひづめガム(デンタルガムを含む)おもちゃケージ石などがあげられます。 ひづめは犬に与えるおもちゃとして普通に販売されておりさらに「乳歯の生えかわりを助ける 」や 「 歯石除去の為のデンタルケア用品として 」 などと謳われて販売されていることも多いです。しかし、実際は歯の破折の主な原因になっていることも多いです。またガムについてもデンタルガム(噛むことで歯垢歯石を機械的に除去する目的で作られたガム) が原因の多くを占め飼い主が歯石蓄積予防を目的として与えた ひづめや ガムが逆に歯の破折をひきおこしてしまう可能性も十分に考えられます。

 現在さまざまな種類のデンタルガムが販売されていますが、比較的硬めの弾力性の無いガムを噛むことで破折することが多いです。さらにデンタルガムの中には犬の体重別にサイズ・硬さが考慮されている製品もあり、その個体相応の大きさや硬さ、柔軟性のあるガムを与えることが破折を防ぐことにつながります。 またケージを噛む癖がある犬では 16 症例中 14 症例が犬歯の破折を引き起こしており、ケージバイトの癖がある犬では犬歯を注意深く観察する必要があります。

K.G

凍結精液の人工授精に利用する黄体ホルモン測定。 20年03月15日

現在、犬の凍結精液による人工授精を行っております。メリットは①遠方のオスであっても交配可能②優秀なオスの遺伝子を残すことができる。③すでに亡くなっている雄であっても授精可能④ブルセラ等の性病にかかる心配がない⑤交配をいやがるメスでも可能。デメリットは①フレッシュな精子にくらべ排卵の日にちをきっちりとあわせなければ子供ができにくい②内視鏡による特殊な人工授精や手術による人工授精が必要③妊娠の確率は少し低下する。などがあげられます。そのため正確な排卵日のチェックが必要になります。膣スメア検査ではしっかりとした日にちの把握はできません。黄体ホルモン(プロゲステロン)は、検査機器によりかなり誤差がでるため選定が必要だと感じています。最近、他の機器を使用したものの経験が増えておりますが、現段階ではバイダス・ミニだけが世界的にみても今までの実績と証拠に基づいて安心して使用できる検査機器であると考えておりお勧めできるものです。気になる方はお問い合わせください。獣医師からのお問い合わせも可能です。

S.S

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