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重症筋無力症

13年06月05日

 重症筋無力症は、骨格筋の神経筋接合部におけるアセチルコリンの伝達障害よって引き起こされる易労性の筋虚弱が認められる疾患です。先天性と後天性のものがあり、多くは後天性です。
 先天性重症筋無力症は、遺伝的なアセチルコリン受容体の機能障害が原因となり、幼若齢(1歳未満)で発症します。ジャック・ラッセル・テリア、スプリンガー・スパニエル、サモエド、スムース・フォックス・テリアおよびシャム猫や雑種猫などでの報告があります。
 後天性重症筋無力症は、免疫介在性あるいは腫瘍随伴性にアセチルコリン受容体に対する自己抗体が産生され、アセチルコリン受容体の絶対数が減少することが原因となり、比較的若齢(1~4歳)および高齢(9~13歳)で発症することが多いです。
 症状は、運動に伴って徐々に発現する局所的(顔面筋や後肢など)あるいは全身的な筋力低下から四肢不全麻痺、嚥下障害、流涎や吐出、巨大食道症などです。典型例では、しばらくの休息後には一時的に回復し、またしばらく運動すると脱力すような症状が見られます。
 診断は、特徴的な臨床兆候から歩行検査や眼瞼反射などを反復して行い、徐々に反応の低下が認められ、休息後に反応が戻ることに再現性がみとめられれば本症を疑うことが出来ます。その他、簡易で比較的信頼性の高い検査として、塩化エドロホニウム刺激試験(テンシロン試験)や抗アセチルコリン受容体抗体の測定などがあります。
 治療は、抗コリンエステラーゼ阻害剤や免疫抑制剤などが使われます。重症筋無力症は、は前述の通り、嚥下障害や巨大食道症が認められることがあるため、内服が困難な場合は注射による治療が必要な場合もあります。