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爪にできる腫瘍
24年08月05日
爪の根本部分を爪床といい、爪床にできる腫瘍は一般的に悪性のことが多いと言われています。扁平上皮癌が最も発生が多く、次いで悪性黒色腫がみられます。他には軟部組織肉腫、肥満細胞腫、骨肉腫など悪性のものがほとんどです。
扁平上皮癌は大型犬での発生が多く、特に黒い爪の子で前肢でよく認められます。局所での破壊が強く指の骨の破壊や融解を引き起こすだけでなく、感染症も多いため見た目的にも症状的にもひどいものになります。転移することは多くないため、外科手術ができれば根治の可能性もあります。被毛が暗色の子は発生が多いため、遺伝的素因が関与していると考えられています。
また悪性黒色腫では転移率が高いため、リンパ節や肺の評価が必要になります。治療は手術が中心になりますが転移している場合は生存率が下がってしまいます。
一方猫の爪床腫瘍では、肺からの転移巣であることが80-90%程度と言われ、原発性肺腫瘍の存在を探していく必要があります。ただ転移性の場合は非常に予後が悪いものになっています。
手先にできる腫瘍ですので日頃から歩き方や痛みがないかが発見のヒントになります。そのような症状がないかたまにみてあげてくださいね。
T.S.