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犬アトピー性皮膚炎に対する新薬が登場しました!
25年04月26日
桜もあっという間に散り、だんだん暖かくなってきましたね。暖かくなるにつれて、皮膚トラブルを抱えて来院されるワンちゃんが増えてきます。今回は、犬アトピー性皮膚炎に対する新しいお薬が出ましたので紹介します!その新薬はイルノシチニブ(ゼンレリア)というお薬です。
これまで犬アトピー性皮膚炎に対する治療薬としてオクラシチニブ(アポキル)といお薬がありましたが、ゼンレリアもアポキルに近いお薬です。ゼンレリアはアポキルよりも効果の持続時間が長いのが特徴です。アポキルは作用時間が短いと感じる症例もあり、1日1回〜2回の投与が推奨されています。一方、ゼンレリアは1日1回の投与でよいとされています。
アポキルもゼンレリアもヤヌスキナーゼ(JAK:Janus kinase)阻害剤という仲間の薬です。炎症性サイトカイン(IL-31など)が細胞の表面に結合して、細胞内機能に変化をもたらして炎症や痒みが生じますが、このシグナル伝達に関わっているのがJAKという酵素です。JAKには4種類のサブタイプがあり、このうちのJAK1を選択的に阻害するのがアポキルで、非選択的に幅広く阻害するのがゼンレリアです。
1日1回の内服で済むゼンレリアは飼い主様の負担軽減や治療コストも下げる可能性があると言えます。まだまだ発売したてですので、これからたくさんの情報が集まってくると思います。これまでのアポキルや注射薬のサイトポイントと並んで、犬アトピー性皮膚炎に対する治療薬の新しい選択肢となることを期待します。当院でも「ゼンレリア」を扱っていますので、痒みでお困りのワンちゃんがいましたら、ぜひ獣医師にご相談ください。
N.D.