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犬の脂質代謝異常症(高脂血症)

16年07月24日

犬の脂質代謝異常症は血液中の脂質の異常濃度(中性脂肪、コレステロール、またはその両方)を指し、一次疾患または他の疾患に続発するものに分けられます。

一次的な脂質代謝異常はあまり一般的ではありませんが、通常特定の品種に関連しています。ミニチュア・シュナウザーの高VLDL-中性脂肪血症とシェットランド・シープドッグの高LDL-コレステロール血症は、最も一般的なタイプであり、遺伝的な素因が関わっていると考えられています。

二次的な脂質代謝異常は、糖尿病、甲状腺機能低下症や副腎皮質機能亢進症などの内分泌疾患の結果であることが多々あります。これら内分泌疾患以外に、膵炎、胆汁鬱滞、タンパク漏出性腸症、肥満、高脂肪食の採食などによっても起こります。

犬の脂質代謝異常の合併症としては膵炎、肝疾患、アテローム性動脈硬化症、眼疾患、および全般性発作などが含まれます。

また、動物の血中リポタンパク質分画の解析(LipoTEST;(株)スカイライト・バイオティック)を実施することで、その解析結果は原疾患の特定や治療法の検討における重要な情報をもたらします。

これら脂質代謝異常症例では、原疾患の治療に加え、低脂肪食への変更が勧められますが、オメガ3脂肪酸、フィブラート、およびプラバスタチンなどの脂質代謝改善薬の投与が有用です。

わんちゃんの血液健康診断などで中性脂肪やコレステロールの項目に高値が認められた場合、肥満傾向にあるのかなとだけ思われる方も少なくありません。ぜひ一度動物病院までご相談ください。

H.B.