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犬が食べてはいけない身近な食物

13年03月05日

 チョコレートやタマネギを食べると危険、というのは多くの方がご存知であると思います。実際に当院にもそれらを食べた、あるいは食べたかもしれないと診察に来られる患者さんは多いのです。しかしこれら以外にもワンちゃんが口にしてしまうと意外な結果をもたらす身近な食物は実は多いのです。今回はその一部ですがキシリトール中毒とぶどう中毒を紹介します。

・キシリトール中毒
 ガムなどに含まれるキシリトールは人には無害ですが、犬では重度の毒性を示します。体重1kg当たり0.1g以上摂取すると低血糖症状、0.5g以上摂取すると肝臓毒性が現れると報告されていますが、すべての個体が肝不全に陥るわけではなく個体差があるようです。キシリトールによりインスリン分泌が通常の2.5~7倍になるために低血糖となり、それに伴う症状が現れます。最近では甘味料としてキシリトールが食品などに含まれること多くなったために注意が必要です。

・ぶどう・レーズン中毒
 意外で、かつあまり知られていないのがぶどうやレーズンです。過剰摂取することで急性腎不全に陥ります。ぶどうは体重1kg当たり32g、レーズンは体重1kg当たり11~30gで腎障害が現れるといわれていますが、それ以下でも生じる可能性はあります。特に皮に毒性が高いと考えられており注意が必要です。農薬や菌類の関与も考えられていますが原因は不明です。またぶどうやレーズンによる膵炎の発生も疑われています。

腸重積

13年03月05日


2歳の柴犬が血便をするとのことで来院しました。嘔吐はなくしぶりを繰り返しているとのことでした。
触診で太いソーセージ様のものを触れたためレントゲン検査とエコー検査を行いました。
独特のエコー所見がえられ、開腹手術をいたしました。回盲部で回腸と盲腸、結腸を巻き込んで腸重積が起きていました。写真はそのときのものです。腸は壊死を起こしていたため盲腸部分を摘出し、回腸と結腸の端々吻合を行いました。今日元気に退院です。