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嘔吐・吐出における救急医療
20年05月25日
嘔吐・吐出の症例は日々遭遇します。
その際における緊急度は病気によって様々ですが、特に重症度の高く、
飼い主でも把握できる症状をピックアップします。
①1日5−6回の嘔吐
②吐物の色が真っ赤
③吐物に便臭がする
④飲んだ水をすぐに全て吐く
+以下の症状がある際は緊急性が高いと思われます
⑤元気がなく、ぐったりしている
⑥呼吸が荒い
⑦痙攣が起きている
⑧食欲が全くない
⑨噴出するような激しい下痢やタール状の便
⑩大量の誤食
⑪お腹が張っている
⑫可視粘膜(舌や歯茎)の色が蒼白・黄色
症状が該当するようでしたら、夜間でも治療を受ける必要性が高いです。
H.F
ヘビの咬傷
20年05月20日
気温も上昇し、散歩に行きやすいシーズンになってきましたね。フィラリア予防やノミ・ダニ対策はお済みでしょうか?さて、今回はヘビに関するお話です。
ヘビの咬傷は、夏から秋にかけて最も多くなります。日本の主な毒ヘビはマムシ、ヤマカガシ、ハブが挙げられます。犬は未知のものに対して顔を近づけて臭いをかぐので、鼻先や顔面をかまれることが多く、前足への受傷がそれに続きます。犬がヘビの咬傷により死亡することは非常にまれですが、中には死亡する例もあります。ヘビにかまれても、毒液を注入されないことがあり、その場合には、症状はほぼ痛みのみです。毒液を注入された場合は、数十分後にかまれた部分が腫れてきて、時間が経過すると範囲が広がったり、内出血などが起こる場合もあります。
犬のヘビにかまれたときの症状は以下のようなものが挙げられます。
<ヘビの咬傷での症状>
・かまれた場所の痛みでキャンと鳴く、足を挙げるなど
・かまれた部分が腫れる
・腫れたところの皮膚が赤や紫のあざのようになる
・食欲不振
・尿が赤くなる など
重症例では、発熱や嘔吐・下痢、血圧の低下、ショック、呼吸困難、血液の凝固異常などが起こります。腎臓や肝臓に障害が出る例もみられ、重度では、昏睡や死亡することもあります。ヘビの毒液は、血液を溶かしたり、出血を起こしたりするような毒性成分が主です。他には、心臓や神経に影響する毒性成分もあります。症状が軽くなく、血液検査の異常や状態の悪化がみられる場合は、入院して治療を行います。ヘビ毒により、血液を固めて止血する機能の異常(血液凝固異常)が現われ、出血が止まらない例もあるので、必要であれば輸血も行います。
一般的なヘビの咬傷の治療では、以下のようなものが行われます。
・傷口の消毒・処置
・ステロイドの投与
・抗生剤の投与
ヘビにかまれた場合は、できるだけ早く動物病院に行きましょう。
K.G
健康診断を受けるワンちゃん猫ちゃん増加中!
20年05月10日
ペットの予防医療の啓蒙活動を行っている獣医師団体Team HOPE(当院も会員です)は、ペットと暮らすご家族を対象に「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施しています。この調査は 2016 年から毎年実施し、2019 年で 4 回目となります。2020年3月に最新の情報がリリースされました。リリースによると、調査をはじめた4年前からでも健康診断を受診している子は11%も増加し、4割強です。特に高齢の子で増加し、加齢に伴う病気リスクを理解しているご家族が増えているようです。健診内容は問診や触診などが8割以上、血液検査が6割弱、尿検査やレントゲン検査は2割程度でした。
人と同じで病気は早期発見と早めのケアで健康寿命を延ばすことがペットにも必要不可欠と私たち獣医師は考えるのですが、見た目では元気、これは加齢によるものだから、、と健康診断を受けるという発想がなかったのかもしれません。しかしTeam HOPEのリリースからは健康診断を受診しているペットが増加しているのはうれしいことでした。健康診断を勧めている獣医師の身分から意見させていただけるならば、やはり血液検査&尿検査までしてほしいということです。尿検査は多くの病気発見のヒントに役立つものですが、採尿方法などがハードルになっているのかもしれません。
あとは犬種や猫種によって気を付けなければならない病気などもあります。採尿方法も含めた様々なアドバイスや健康診断をすすめていますのでご相談ください。
T.S