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わんちゃんの外耳炎と耳ケア

24年06月26日

愛犬が最近、後ろ足で耳をかいたり、首を振る回数が増えたりしていませんか?そういった症状は外耳炎を発症している可能性があります。

「外耳炎」とは、耳介〜鼓膜に発生する炎症性疾患であり、痒み、紅斑、腫脹、疼痛などさまざまな症状がみられます。わんちゃんの外耳道は下の写真のようにL字型をしています。外耳道の形や長さは犬種や個体により異なり、通気性が悪い構造をしている子もいます。

外耳炎はアレルギー性皮膚炎、脂漏症やホルモン異常などが主因となり発症するとされています。さらに、耳道が狭い、耳毛が多いことから耳道内の通気性がさらに悪くなり、外耳炎を悪化させる細菌やマラセチア(カビの一種)が増殖しやすい環境をつくりだします。特に暖かい夏場は耳の中が蒸れやすく、外耳炎を発症しやすくなります。

特に注意していただきたいのは、外耳炎で炎症を起こした耳道は非常に傷つきやすいということです。不適切に耳ケアをしてしまった結果、より状態を悪化させてしまう可能性があるため、ご自宅での耳洗浄はおすすめできません。しかし、治療を行わないと中耳炎、内耳炎などを引き起こしてしまう場合もありますので早期の受診をおすすめします。

外耳炎の治療は主に点耳薬を使用します。点耳薬はさまざまなものが販売されていますが、ほとんどのものがステロイド(抗炎症作用)と抗菌剤、抗真菌剤の合剤となっています。点耳薬の種類により、ステロイドの力価や粘稠度が異なるため、その子の外耳炎の症状に合わせた点耳薬を処方しています。間違った耳ケアや点耳薬の使用は外耳炎の悪化や、薬剤耐性菌を出現させてしまう可能性もあるため、獣医師の指示に従い使用していただきますようお願いします。

愛犬の耳ケア・外耳炎の治療に関して聞きたいことがあればいつでも獣医師にご相談ください。

 

D.N.

外耳道模型