最近のブログ
カレンダー
最近のエントリー
- 2024年
- 2023年
- 2022年
- 2021年
- 2020年
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 2016年
- 2015年
- 2014年
- 2013年
- 2012年
- 2011年
- 2010年
- 2009年
- 2008年
猫ちゃんの行動変化は気になりませんか?
22年05月24日
みなさんは飼っている猫ちゃんが高齢になってくるにつれて
・高いところにジャンプできなくなる
・逆に飛び降りることができなくなった
・爪とぎしなくなった
・グルーミングしなくなる
・人との関わりを避けるようになる
・トイレの粗相
などの変化を感じられたことはありませんか?
これは、他の要因ももちろん考えられますが、運動器疾患が原因である可能性もあります。
運動器疾患といえば、犬では、骨折、変形性関節症、膝蓋骨脱臼や前十字靭帯断裂など多くの運動器疾患があります。当院でも毎月のように犬の運動器疾患の手術がありますし、毎日のように跛行などの運動障害を罹患したワンちゃんが来院されます。対して猫は犬と比べるとあまり馴染みがないようなイメージがあると思います(もちろん骨折や外傷は多いですが)。ですが、実際のところ猫にも多くの運動疾患があります。ある調査では、猫で最も多い関節疾患は外傷による脱臼や骨折、それに次いで変形性関節症となっています。猫では6歳以上で6〜7割の猫で変形性関節症が、12歳以上で9割の猫に変形性関節症があるという報告もあります。意外に変形性関節症が多いのです。
この変形性関節症(OA)は関節軟骨の変性と破壊、関節周辺や下骨における骨増生、2次性滑膜炎を伴う進行性かつ非感染症の疾患と定義されています。犬でもO Aは好発疾患で、通常他の疾患(前十字靭帯断裂などの疾患)に続発したものが多いですが猫では加齢による1次性のものが多いです。
10歳以上O Aを罹患した猫に対して行った調査で最も変形しているのが多かった部位は脊椎、それに次いで手根関節、肘関節の順でした。脊椎ならジャンプしたり飛び降りて着地するのを嫌がりますし、手根関節や肘なら着地や爪とぎも嫌がるようになります。
このように高齢になってくるとOAに伴う様々な行動の変化を伴うようになってくるので
以上の変化が気になったり、飼っている猫ちゃんが10歳を過ぎた段階で身体検査やレントゲン検査などのアプローチをしてみるのをお勧めします。
O Aなどの関節症に関してはサプリメントによる日々のケアなどがおすすめになります。気になる方は相談してみて下さい。
R.I