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腫瘍随伴症候群
14年07月13日
腫瘍随伴症候群とは、悪性腫瘍の存在が原因で腫瘍の発生部位から離れたところに発現する全身性疾患であり、腫瘍のサイズ、発生部位、転移の有無や、発生母地の生理的機能には無関係に起こるもの、と定義されています。つまり簡単に言うと腫瘍がホルモンなどを過剰に産生したり、正常にはない物質を作ったりすることで体に悪さをする病態です。
代表的なのは高カルシウム血症でリンパ腫、肛門嚢腺癌、多発性骨髄腫などによります。高カルシウムがひどいときはビスフォフォネート剤を使用します。腫瘍細胞がインスリンやインスリン様成長因子(IGF)を産生すると低血糖を引き起こします。悪性腫瘍では不明熱も呈します。がん患者では痩削が見られますがそれを悪液質といい、がんによる代謝障害により体重が減少していきます。最も代表的かつ致命的なものは播種性血管内凝固症候群(DIC)で、微小血栓を形成することで多臓器不全を引き起こします。
腫瘍随伴症候群は上記のように怖いものばかりです。ただでさえがんと闘っている患者さんを苦しめるそれらを正しく検出し、早期に是正してあげることで患者の生活の質を維持につながります。
T.S.