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レッグ・カルベ・ペルテス病
11年04月12日
大腿骨頭壊死症とも呼ばれるレッグ・カルベ・ペルテス病は、その発見者から名前がつけられました。虚血性の変化により大腿骨頭が壊死していく病気ですが、その原因は明らかでなく、遺伝的要因、ホルモン、大腿骨頭の梗塞など、さまざまな説があります。
この病気のポイントは
①若齢犬 (6~7ヶ月齢が最も多い)
②小型犬 (トイ犬種、テリア犬種が多い)
③後肢の跛行 (股関節の伸展を嫌がる)
ということです。片側のみの発生が多く、両側性は10~15%です。跛行は6~8週間かけて徐々に進行し、関節可動域の減少、筋萎縮、痛みを呈し、全く負重ができなくなる場合もあります。大腿骨頭や骨頚が変形し、関節が不安定になることで股関節全体における重度の変性変化や変形性関節疾患へとつながります。小型犬では膝蓋骨脱臼も多いため、鑑別が必要です。
診断はレントゲン検査が有用で、大腿骨頭・骨頚の変形、骨頭の透過性亢進、筋萎縮などを確認することができます。あとはシグナルメントや症状も診断に役立ちます。
運動制限や抗炎症薬は疼痛の緩和に多少効果はあるかもしれませんが、跛行そのものを取り除くためには大腿骨頭骨頚切除術という外科的治療のほうが結果は優れています。手術による肢の短縮や筋萎縮が残った場合は若干跛行が残ることはありますが、適切な手術で患者のほぼ100%が歩行可能になり、疼痛がなくなります。
歩き方がおかしい、痛そう等ありましたらご相談ください。