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ウサギの足底皮膚炎、足底潰瘍

12年06月05日

 ウサギの足底皮膚炎・潰瘍は、比較的よくみられる、踵を中心とした後肢の足底部や、まれに前肢掌面に皮膚炎や潰瘍が認められる疾患です。
 この疾患を引き起こす第一の要因として、床の硬さが挙げられます。金網床のケージで飼育されているウサギやコンクリート、フローリングなどを跳び回ることのあるウサギは特にかかりやすくなります。それ以外では、床が湿っていて不衛生なことや、肥満、足裏の被毛が薄い、スタンピング癖があるなども要因となりえます。
 通常後肢の足底に病変がみられ、局所は発赤、腫脹し、びらんや潰瘍になると出血が認められます。さらに感染があると膿汁の排出が認められるようになります。腫脹や潰瘍が広がって、深部に至るほど痛みが増し、ウサギは左右交互に足を持ち上げ、足踏みをしたり、前肢に体重をかけたりします。放置されると感染が骨や踵関節に至り、骨髄炎、敗血症に進展することもあります。
 治療は、重症例においては抗菌薬や包帯等が必要になりますが、まず重要なことは柔らかい床の上で過ごさせることです。また、柔らかいだけでなく清潔であることや、齧ったり食べたりしないことも重要です。個々の生活環境や性格などにより最良の方法が異なるため、床材の素材の選択に関しては獣医師にご相談下さい。