診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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7月7~9日 WJVF第8回大会 17年07月14日

ホテルニューオータニ大阪で行われました。9日(日)に参加いたしました。若い人たちの参加もおおく刺激になります。下田哲也先生の猫の貧血の鑑別診断を拝聴しました。復習のつもりで聞いていましたがはじめて聞いたこともあり勉強になりました。腎性貧血におけるヘプチジンの状態が把握できました。ずいぶん以前になりますが1990年ごろにカルシトリオール療法が流行りましたが最近はあまりきかなくなっていました。カルシトリオール投与については今後再認識していく必要があると思われました。

S.S

今年の猫の甲状腺機能亢進症の最高齢手術 17年06月28日

「甲状腺機能亢進症の猫ちゃんの手術はいくつまでできますか?」とよく聞かれます。「状態次第ですね」とお答えするわけですが、「12歳をこえると手術をするとあぶないのではないですか?」「インターネットをみると手術はとっても危険て書いてますよ。」ていわれます。たしかに高齢になればリスクも上がりますし、ご心配ですよね。私が甲状腺の手術をたくさん行うようになったわけは、以前飼っていた猫が、甲状腺機能亢進症になったからです。まだまだめずらしいころで手術の報告例もありません。片側摘出、両側摘出で、本邦でははじめて学会報告をした猫です。片側摘出後、数年たって反対側にも異常が出ました。その頃は両側を取った報告がなくて両側摘出すると死んじゃうよと業界ではいわれていました。薬でコントロールしようとしましたが甲状腺の数値は良いのですが症状は心臓も腎臓もどんどん悪化し痩せこけてしまいました。このままでは死んでしまうと、まもなく17歳でしたがおもいきって手術をしました。以前ブログで甲状腺手術前、手術後の写真を出したことがありますがびっくりするほど元気でまるまる太りました。この経験があってから高齢でも状態が許す限りは手術をお勧めしています。今まで幸いに1頭も大変になったことはありません。ところで今回の猫ちゃんは17歳11か月でした。両側の肥大なので期間をあけてもう1度手術を行う予定です。ご理解いただけた飼い主様に感謝いたします。RIMG5019.JPG

抗甲状腺薬に皮膚アレルギーの猫ちゃん・甲状腺機能亢進症の手術 17年06月16日

抗甲状腺を内服すると激しい痒みがでる猫ちゃんがいます。早ければ1週間くらいから遅く出る猫で1ヵ月くらいたってから副作用として出てきます。顔面に集中して出ることが多くとてもがまんできないようです。今まで当院で5頭来院しすべて外科手術を行いました。今回の症例の猫ちゃんはまだ7歳の男の子です。近医で診断していただきましたが内服するとすぐに皮膚アレルギー病変がでてきたようです。手術は基本的には甲状腺値を下げてから行うことが安全であると考えられており、y/dに食事変更をしていただいたところ幸いに数値が低下し、手術となりました。手術は上皮小体の機能をいかに残せるかどうかがポイントです。一般的に上皮小体は腹側側の頭側から甲状腺の中央部にかけて前方より血管が入り込んだ状態で認められるものですが、今回の症例は背側の尾側にあり、血管が認めにくい状態であり、他の位置には認められませんでした。上皮小体を甲状腺から分離切込みを入れて筋肉内に埋め込みました。写真の小さな丸いものが上皮小体です。1カ月くらいすると機能してくれると言われています。無事今日退院しました。

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