診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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眼底検査 17年09月03日

 眼底とは文字通り眼の底部分のことで、フィルムの役割を果たす網膜、視神経の集まった視神経乳頭など重要な構造が集まっています。暗闇で動物の眼が緑や赤に光って見えるのは、眼底の脈絡膜の中のタペタム(輝板)という部分が光って見えるためです。眼底は主に視覚機能に関わっていることが多く、視覚障害へのアプローチとして眼底検査が実施されることが検査目的となります。

 検査は検眼鏡や、眼底を診るために作られたパンオプティック、倒像検眼鏡などで行います。近年では操作が簡単で容易に眼底を映し出してパソコン上に記録できるクリアビューという機器もあり、当院でも扱っておりますが非常に検査が楽で助かっています。

 眼底所見は主に視神経乳頭、タペタム、網膜血管、ノンタペタム領域の所見をチェックします。犬と猫の違いや、犬種などでも正常所見が異なるために注意が必要です。しかし眼底は血管や神経の異常をビジュアル的に把握できる数少ない構造であるために、その所見は貴重なものになります。

 眼底検査によって分かる病気は多様で、網膜剥離、進行性網膜委縮、眼底出血や、視神経乳頭浮腫で脳腫瘍や脳炎などもわかることがあります。高齢猫は腎不全からの高血圧で網膜剥離などを起こし失明を起こすことも多くあります。

 眼科疾患はいくつかの検査を組み合わせて診断に結び付けることが多く、眼底検査も大事な検査となります。

T.S.

食欲の秋 17年08月27日

もうすぐ9月になりますね。9月といえば食欲の秋と言った謳い文句がありますね。わんちゃんねこちゃんも食欲がより一層増すような気がします。

今回はそんな彼らが食べてはいけない食べ物すこしまとめました。

  1. ネギ類(玉ねぎ、ニラ、長ネギなど)

言わずと知れた玉ねぎ中毒です。玉ねぎに含まれるアリルプロピルジスルフィドなどの成分により赤血球が破壊され溶血性貧血を起こすとされ、量によっては死に至る可能性もあります。煮込んだスープなどのエキスが含まれているものも要注意です。

  1. チョコレート

カカオの成分であるテオブロミンを多く含んでいるビターチョコレートを摂取することで脱水症状や過度の興奮、重度ではてんかん発作を起こすとされています。

  1. ブドウ・レーズン

近年、小型犬が誤ってブドウ70gを摂取し急性腎不全で亡くなったという報告があります。原因物質はハッキリと解明されていませんが、カビ毒や農薬、ビタミンD類似物質やブドウの未知の成分などが考えられています。食べることにより嘔吐と尿が作られなくなる症状が出るとされています。

今回はここまでですが、わんちゃんねこちゃんが食べると危険なものは山ほどありますので、迂闊に与えることは避けましょう。

H.F

家庭での歯みがきに慣れよう 17年08月20日

 日常診療の中で目にする機会が最も多い疾患のひとつは歯周病です。口臭や歯石の付着を気にされて来院される方も多く、全身麻酔下でのスケーリングを行い、抜歯の必要のあったわんちゃんも少なくありません。

 しかし、院内で歯の処置をさせてもらっても、おうちでのオーラルケアが十分でないと、すぐに処置前の状態に戻ってしまうこともあります。ですが・・・なかなかおうちでの歯みがきが難しい!というわんちゃんも多いのではないでしょうか。

 小動物臨床総合誌「j-vet」の8月号で特集されていた、おうちでの歯みがきを慣れてもらう方法について紹介させていただきます。

 まず、初めの第一歩は口腔内を触られるのに慣れることです。

 リラックスしているときに、指でマズル周囲や口唇を触って、受け入れられればすぐにご褒美を挙げてもらい「口の周囲に触られる=よいことがある」という条件づけを行ってもらいます。わんちゃんによってはこの段階に1-2ヵ月かけてもよいそうです。

次の段階では、ガーゼなどを指に巻き、水などで濡らして口の中を触る事に慣れてもらいます。短時間でご褒美をあげて、できるだけ嫌悪感を抱かせないようにします。このときガーゼを缶詰の汁などにして、口の中を触られるとおいしい味がする、と条件づけを行うことも有効です。(ガーゼを食べてしまわないように注意!)

 そして、ガーゼを使った方法にも慣れた後、やっと歯ブラシの登場です。

歯ブラシに好きな缶詰のごはんを付けて与えたりして、歯ブラシに対する嫌悪感をなくしていきます。ヒトとは違って、歯みがき後におやつをあげるのもよいでしょう。とにかく継続できるように、慣れさせてあげるのが重要です。

 ブラッシングの理想は1日1回以上を毎日と報告されています。口の中を触ることはなかなか難しいですが、快適な生活を送れるようケアしてあげたい部分です。

M.K