診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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寒くなってくると猫の尿道閉塞に注意してください。 18年01月15日

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猫は砂漠起源の動物だといわれあまり水を飲まないことでも有名です。その猫ちゃんが寒くなってくるとさらに水を飲まなくなり、もともと尿に結晶ができやすい体質を持った子たちが尿道閉塞を起こしやすくなります。先日よりストラバイト結晶による尿道閉塞の雄猫たちがたくさん来ています。なんどもトイレに通うようになれば急いで受診いたしましょう。完全閉塞では、2~3日で死に至りますなお雄猫で膀胱炎をおこす原因は、間質性膀胱炎、結晶膀胱炎がほとんどで細菌感染性はまったくないと考えていただいて間違いはないと思います。参考までに1日に3回も4回もおしっこに行っている猫ちゃんは慢性腎不全か甲状腺機能亢進症がほとんどです。おしっこの回数にも注意してみてください。

S.S

減感作療法 18年01月07日

犬のアトピー性皮膚炎は遺伝的要因がかかわる疾患で、痒みのコントロールと生涯むきあっていかなければなりません。アトピー性皮膚炎に対する治療は内服薬や外用薬を用いた薬物療法が一般的です。近年はプレドニゾロン(ステロイド)だけに頼るのではなく、シクロスポリンやオクラシチニブのような薬剤の併用による著効例もメジャーになってきていますが、長期的に(あるいは生涯)投薬が必要となるケースも少なくありません。

減感作療法は、アトピー性皮膚炎をはじめとしたアレルギー疾患における唯一の原因特異的療法とされています。つまり、薬物療法などの対症療法による痒みの一時的な改善ではなく、長期的な作用や予防効果が期待できる治療法です。アレルギーの原因となるアレルゲンエキスを少量から段階的に増量して接種・投与することで、体に慣れさせていき(脱感作)、症状の改善を誘導します。接種・投与するアレルゲンにはいくつか種類がありますが、近年動物用医薬品として登場したアレルミューン®HDM(日本全薬工業)もその1つで、コナヒョウヒダニの蛋白質であるDerf2のリコンビナント蛋白にプルランを結合させたものとなっています。投与アレルゲンの決定には、事前にアレルギー検査(IgE検査)が必要となります。

減感作療法の効果の発現には約6か月はかかるといわれており、また過去の報告では症状改善の有効率は約50~70%と全例で有効とはいえませんが、奏功すれば薬物療法の減薬や休薬も期待できる唯一の治療法です。

痒みでお悩みのわんちゃん全てに減感作療法が適用されるわけではありません。痒みの原因がアトピー性皮膚炎なのか、他の疾患なのかどうかで当然ですが治療法は全く異なります。原因疾患の特定は治療への第一歩として非常に重要です。当院では、犬のアトピー性皮膚炎の治療の選択肢の1つとして減感作療法を実施しております。愛犬の皮膚の痒みでお悩みの飼い主様、減感作療法に興味のある飼い主様は獣医師までご相談ください。

H.B.

チョコレート中毒 17年12月31日

チョコレート中毒は、チョコレートに含まれるテオブロミン、カフェインなどのメチルキサンチンの過剰摂取により生じる中毒で、急性の消化器症状、循環器症状、神経症状などが現れます。メチルキサンチンの含有量はチョコレートの種類により異なり(下記参照)、時には少量でも中毒を起こし、死亡することがあります。

 犬では100200mg/kg、猫では150mg/kgLD5050%が致死する量)ですが、20mg/kgから軽度な異常が現れ、60mg/kgでは痙攣を起こす可能性があります。そのほか下痢、嘔吐、発熱、興奮、頻脈、不安、不整脈などの症状が現れます。通常、症状は摂取1時間後から発現することが多いです。

治療は、有効な解毒薬が存在しないため、催吐薬、吸着剤、抗痙攣薬、抗不整脈薬、輸液などを行って対症療法を行います。摂取直後であれば、催吐薬を使用し、その後吸着剤の併用を行いますが、嘔吐が不十分な場合は胃洗浄を行います。摂取量が少なく、早期に治療が行えれば予後は良好ですが、メチルキサンチンは代謝、排泄されるまで34日間かかるとされており、この期間は注意が必要です。

 チョコレートは身近な食品であるため、動物の届く範囲に置かないよう注意してください。

T.H.

メチルキサンチン含有量

カカオ豆:1453mg/g

料理用チョコレート:14~16mg/g

ダークチョコレート:5mg/g

ミルクチョコレート:2mg/g

ホワイトチョコレート:0.05mg/g