診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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ブルドッグの仔犬11頭計画出産致しました。 19年09月11日

今日はブルドッグの帝王切開がありました。発情時にProgesteroneを計測させていただき排卵日を特定し交配していただきました。今日は排卵後ちょうど63日目にあたります。ちょうど体温の下降がピークをむかえ、予定通り帝王切開を行いました。麻酔は仔犬にできるだけ移行しないような麻酔薬と筋弛緩薬を使用し、無事11頭取り上げることができました。排卵日を知っておくことは一番成績がよい交配日を知ることができるだけでなく、安定した頭数を得ることができ、仔犬の育ちもよく、出産日を予測したり安全に帝王切開が行うことが可能です。 交配から○○日目なので帝王切開をしたら育っていなくて仔犬が亡くなってしまったなんてことは起きません。卵子の生存期間は5日まで、精子の生存期間は11日までで理論上では生まれる時期は2週間までの間で誤差が出てくる可能性があります。交配なんて見た感じの雰囲気や雄の反応の仕方で分かるとか、膣スメア検査で交配日をきめるなんて思ってられる方も、ぜひProgesteroneの検査意義をご理解いただけますとうれしく思います。ブルドッグのご家族にご協力いただきブログに記事と写真を載せる了承をいただきました。ありがとうございました。11匹もいると育てるのが大変ですが、頑張ってくださいね。仔犬は皆かわいいものですが、ブルドッグの仔犬はとっても可愛かったです!!   S.S

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SUBシステムの洗浄処置 19年09月10日

 当院では尿管結石の症例に対してSUBシステムという器具を用いた手術を実施しております。小動物の尿管はとても細いために、切開・縫合手術をしても再閉塞の可能性が高いため、腎臓と膀胱にカテーテルを挿入し、それをつなぐことで尿管を迂回するというバイパス手術となります。

カテーテルを入れても、カテーテルの内側に微小な結晶や結石が張りつくことで再閉塞してしまうというリスクを抱えることになるのですが、このシステムの最も大きい利点は、術後の再閉塞を防ぐための洗浄処置ができる点にあります。お腹の皮膚の下に埋め込んだポートに特殊な針を刺し、そこから生理食塩水を使ってカテーテルを洗うことができます。またこの処置を同時に腎臓をエコーで観察することでカテーテルが通過性を有しているかを確認することもできます。ちゃんとカテーテルが機能していると、洗浄と同時に腎臓の腎盂というところがペコペコ動いたり、生理食塩水の中の泡が腎盂の中で確認することができます。これが確認できるときは安堵の瞬間です。そしてさらに、細菌を排除したり結晶や結石が張りつきにくくなるための専用の薬剤を最後にカテーテルの中に注入します。単に洗浄するだけでなく、この薬剤が再閉塞を予防してくれるという役割を果たしてくれるため、安心感がさらに増します。

 SUBシステムはまだ完全な装置ではないと開発者も言っておられましたが、それにしても本当によく考えられた素晴らしい装置・手術だと思います。いまはこの洗浄処置は3カ月に1回を目安におすすめしています。せっかく頑張って手術していただいたので、この洗浄を継続して装置を少しでも長く維持していただきたいと思っております。

T.S.

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9月1日摂丹開業獣医師会・岩井聡美先生腎後性腎障害の病態生理と治療法 19年09月02日

北里大学外科准教授岩井聡美先生のセミナーでした。腎臓の病態生理から手術まで詳しく教えていただきました。猫の腎不全の特徴も改めて再確認することができ興味深く聞きました。とくに猫の腎臓病の腎臓の尿管閉塞は近年多くなっている病気の一つです。特に猫で症状がひどくなることが多く緊急性があり至急対処が必要です。尿管の手術は、術後狭窄が起こったり吻合部からの漏れもおおくあるといわれています。腎瘻チューブの方法、腹膜透析、尿管膀胱吻合術、食事管理まで多岐にわたっての講演でした。血液透析、SUBも併用しながらさらに良い治療に繫げていきたいと思いました。

S.S