診療コラム

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予防、病気、しつけ、行動学など、飼い主の皆様に役立つ情報などをコラム形式でご紹介。ぜひご覧ください。

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猫の甲状腺機能亢進症の手術症例(上皮正体尾側付着例) 18年10月10日

今回手術した推定22歳の猫の甲状腺の写真です。上皮正体は甲状腺の頭側に付着していてカルシウムの値をコントロールする大切な臓器です。甲状腺摘出手術の際に上皮正体の機能を残せるかどうかが甲状腺の手術では最も重要です。先日吉田獣医師の論文が掲載されましたが、今回の症例では甲状腺の最も尾側に位置している症例でした。獣医師の方々にもぜひ見てほしい症例でした。左側が頭側になります。上皮正体につながる血管が発達しており、よい手術ができました。

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フレンチブルドッグの鼻孔狭窄 18年10月05日

フレンチブルドッグ、パグ、ペキニーズ、シーズーなどの短頭種は気道系に問題を抱えていることが多くあり、気管形成不全、軟口蓋過長、喉頭小嚢反転、鼻孔狭窄が有名です。下の術前と術後の鼻の穴を比べてみてください。気道の通りが悪いことは気管や気管支、肺、心臓に負担があるだけでなく嘔吐などの消化器障害にもつながることがあります。呼吸するときに大きな音を感じる場合、うえに示した問題を抱えていることがおおく、手術によって修復が可能です。わんちゃんの鼻の穴をじっくりと見ていただくことをお勧めいたします。

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猫の甲状腺機能亢進症の治療:内科療法?外科手術?どちらを選ばれますか。 18年09月28日

猫の甲状腺機能亢進症になったとき一生涯抗甲状腺剤の内服治療を受けて行かれますか?それとも手術をして完治をめざしますか?悩まれているかたも多いと思います。当院では多数の手術を実際におこなっており、手術に関する論文や症例発表も行っています。甲状腺の治療で良く聞かれる質問の答えを列挙してみます。①費用は?:手術を行った方が内服治療に検査を行って継続するより安価。:②術後は手間いらず。術後甲状腺ホルモンの内服が必要なのは2%以下。③毎日2回の抗甲状腺薬の内服は大変で猫ちゃんとの信頼関係も崩してしまうことがある。④内服の副作用は2割以上の猫におきる。食欲不振、嘔吐、痒み、貧血など。⑤内科療法により甲状腺ホルモンがコントロールされていても実際には甲状腺機能亢進症は進行していく症例も多くあり、外科療法に比べ短命。腎不全、心不全を進行させる。⑥手術の平均年齢は16歳で比較的高齢でも安心。⑦約半数が両側摘出ですが手術における問題は今のところ全症例においてなし。写真は私の飼い猫で日本で初めて両側摘出手術を症例報告した猫です。抗甲状腺薬を投与しホルモン値は良好だったにもかかわらず食欲不振で体重1.16㎏になり不整脈も落ち着かず、思い切って手術をしたところ経過良好で10ヵ月後には2.88㎏になり天寿を全うしました。この経験より手術をお勧めするケースが多くなっています。  S.S

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