南が丘動物通信

学会ブログ

各種シンポジウム、セミナー、学会参加情報、最新の獣医療などを掲載。

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5月20日 葉月会 廉澤先生セミナー 17年05月20日

乳腺腫瘍の外科

酪農学園大学 獣医臨床腫瘍学研究室 廉澤剛先生

 犬の乳腺腫瘍は雌犬の腫瘍の半分を占め、猫でも3番目に多い腫瘍でありとても発生の多い腫瘍です。それだけに様々な知見もあり、今回は腫瘍外科の第一人者である廉澤先生から今までの研究のまとめ、そして最新のデータについて講義を受けました。

 乳腺腫瘍は手術よりも前に良性・悪性の診断をつけることがとても難しい腫瘍です。いままでも多くの研究がなされましたが、現在でもはっきりとした成果はなく、そのためどの範囲で腫瘍を摘出するべきなのか判断に迷います。しかし小さい範囲で手術した場合には58%で再発するという報告もあるために、やはり最初からできるだけ広範囲で切除したほうがいいのかもしれません。 猫の乳腺腫瘍は90%は悪性で高確率で転移が発生します。そのため最初から広範囲での手術が推奨されます。

 乳腺腫瘍は早期の避妊手術により発生を大きく減らすことができます。なによりも予防が大事ですので、啓蒙を広げていこうと思います。

T.S.

3月25日 葉月会消化器科セミナー 17年03月26日

栄養療法から考える消化器疾患のアプローチ

宮崎大学農学部附属動物病院 消化器外科・内科 鳥巣至道 教授

宮崎大学で獣医臨床栄養学を研究されている鳥巣先生のセミナーに参加しました。犬の肝臓疾患時には、体内のアミノ酸バランスが不均衡となり、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の低下と芳香族アミノ酸(AAA)の増加が起こり、結果的にタンパク質代謝の低下やアンモニア濃度の上昇により肝性脳症の悪化を招いてしまいます。また犬の炎症性腸疾患(IBD)では消化管粘膜に炎症細胞が浸潤し、超絨毛の長さが短縮され、結果的に軟便が難治化する場合もあります。今回のセミナーでは、鳥巣先生が株式会社NSTと共同で開発したサプリメント「ヴェルキュア」を紹介いただきました。ヴェルキュアはBCAAが強化されており、また強力な抗炎症作用と腸粘膜の増殖作用を有する水溶性食物繊維も豊富に含まれております。肝臓疾患やIBDの問題に対して鳥巣先生が実際の症例において使用した手作り食のレシピやヴェルキュアを用いた栄養療法の内容を学ぶことができました。処方薬を用いた内科療法や手術による外科療法などが治療の全てではなく、患者のデータを基に食事の成分を調節し生体機能を維持する栄養療法の重要性を再認識できたセミナーでした。

H.B.

3月20日 志学会症例検討会 17年03月21日

志学会症例検討会に参加いたしました。

総合コメンテーター
奥田優教授(山口大学 臨床獣医学講座)
板本和仁准教授(山口大学 動物医療センター副センター長)

今年は15題の演題があり、活発な質疑応答のある有意義な検討会になりました。今まで診断法や治療法に悩んできた脾臓腫瘍や乳腺腫瘍に新しいアプローチをしている発表があり、考えさせられるものがありました。また見たことのないような症例の報告もあり、今後の鑑別診断に大変役立つものでした。

当病院からは「猫の甲状腺機能亢進症における上皮小体の位置と手術法」を発表させていただきました。
懇親会では各病院の先生と交流ができ、いい勉強になりました。
K.Y.