南が丘動物通信

7月7日 葉月会猫医学セミナー 16年07月08日

知っておくべき最新トピックス あれこれ

一般社団法人 JVF 代表理事

一般社団法人 日本獣医学フォーラム 会長   石田 卓夫先生

今回は猫医学のうち、ワクチン、慢性腎臓病、糖尿病について講義して頂きました。特に慢性腎臓病は高齢の猫においては非常に発生率の高い疾患で、早期発見し治療を開始することが重要ですが、今までは尿素窒素(BUN)やクレアチニンなどの血液検査によって診断することが一般的でした。しかし、これらの検査はいずれも腎機能が25%以下にまで低下しないと異常を示さないということが慢性腎臓病を早期から発見し治療するということを困難にしていました。そういった事情からより早期に発見できるような検査が待ち望まれていましたが、この度IDEXX LaboratoriesにてSDMAという血液検査が可能になりました。SDMAは腎機能の直接的な指標となる糸球体濾過量(GFR)とより相関性の高い検査で、腎機能が40%以下になると異常値を示すと言われています。ある研究においては、猫では平均17か月、犬では平均9.5ヶ月クレアチニンの上昇より早期に異常値を示したとされています。今後当院でも積極的に検査していき、よりよい腎臓のケアを考えていきたいと思います。

T.H.