南が丘動物通信

11月19日 志学会webセミナー 循環器シリーズ 21年11月19日

今回のセミナーは獣医循環器認定医である石川 泰弘先生に

診察時において心雑音が聴こえた際のアプローチ に関して聴講しました。

一般的に心疾患を見つけ出すことは簡単ですが、診断名を下すのは難しいことも多いです。

診察時は呼吸状態や肺音、心音、飼い主様の話を事細かに聴取することでヒントを得ることができ、病態を把握することが大切です。

その後は血液検査(特殊なものでは心筋バイオマーカー)やレントゲン検査、エコー検査が有用となってきます。

レントゲン検査は瞬時に肺野の状態や心臓の大きさを理解しやすく、エコー検査では心臓機能の評価に特化しています。

順を追って検査することで貴重な所見を見逃すことなく診断に至ることができます。

当院でも心臓疾患、呼吸器疾患の患者さんは多く見受けられます。早期の診断・治療が奏することが多々あります。

日々の診察において聴診することは必須であると改めて実感しました。

H.F

聴診 フリー素材 犬 に対する画像結果

どう使い分ける?CKDの犬の投薬管理 21年11月12日

日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室第2・付属動物医療センター腎臓科 宮川優一先生

慢性腎不全で必要とされる治療や治療薬はいくつかあげられますが現状を正しく把握して、適切な治療を選択することが大切です。腎不全の治療は大きく分けて2種類あります。1つ目はCKDの原因を治療するもので感染(FeLV,FIV,FIP、賢孟腎炎)、尿道閉塞、尿管結石による閉塞性腎症、腎結石、低カリウム血症、多発性囊胞腎、先天性腎疾患(奇形)、糸球体疾患などの治療で、2つ目は進行要因を抑制・除去するもので体重減少、リン・カルシウム代謝異常、高血圧、蛋白尿、脱水、代謝性アシドーシス、貧血、尿毒症などの治療です。例として腎不全で高血圧がある子に対しては血圧をコントロールすることで腎不全の進行を遅らせることができる可能性があります。また別の症例は腎異形成と呼ばれる先天性疾患をもつ子で腎臓の機能が低下している状態でした。確定診断は腎臓の生検をするしかありませんが超音波検査である程度判断することができます。一言に腎不全といっても原因も複数あり、また、進行要因もその子によって異なる場合もあります。気になる点や相談したいことなどある場合にはお気軽にご連絡ください。

K.G