南が丘動物通信

4月23日 葉月会皮膚科セミナー 11年04月23日

猫の皮膚疾患
東京農工大学農学部獣医内科学研究室
岩崎利郎先生

今回のセミナーでは、脂漏性皮膚炎、肉芽腫性脂腺炎、肝・皮膚症候群、皮膚水泡症、エーラース・ダンロス症候群について解説していただきました。普段の診察でそれほど多い疾患ではないものの、いざ来院された時にその対処法に頭を悩ます疾患です。
肉芽腫性脂腺炎は免疫に異常によって皮脂腺が破壊されてしまう疾患です。その為、免疫抑制剤であるサイクロスポリンによって70~80%の改善率が見込めるとのことでした。しかし、治療費が高額になってしまうことや、サイクロスポリンを中止すると再発してしまうなどの問題点は残りますが、肉芽腫性脂腺炎の有効な治療法になるのではと感じました。

4月22日 志学会 血液検査について 11年04月23日

大阪府立大学 准教授 秋吉 秀保 先生

今回の講義では、基本的な血液検査について講義を受けました。
血液検査の項目について、生理学的な部分も含めた考え方の講義で、
改めていろいろなことを復習できました。
ひとつの検査の変動する機序を考え、臨床に役立てたいと思います。

4月21日 葉月会組織細胞学セミナー 11年04月21日

細胞診各論
アイデックスラボラトリー 平田 雅彦 先生

今回は、皮膚腫瘍の中の肥満細胞腫についての講義が最初にありました。犬の肥満細胞腫は3クラスに分類されて悪性度の指標になっていますが、猫ではグレード分類は行われていません。犬では肥満細胞腫によって、消化管出血が起こり、3週間から1ヶ月で、鉄欠乏性貧血が認められる事があります。また、肥満細胞血症は、腫瘍によるものでは、犬では予後不良とされていますが、猫では、相関性には乏しいです。また肥満細胞腫は、肝臓や脾臓に転移する事があります。また肥満細胞は顆粒を持つ事が特徴的ですが、通常の染色では染色されない無顆粒性肥満細胞腫もあります。そのときの腫瘍の鑑別診断は、組織球性肉腫、悪性メラノーマ、リンパ腫、未文化癌、形質細胞腫があります。また犬の肥満細胞腫は、化学療法もありますが、長期間寛解しにくく、まずは、外科療法が選択されます。
猫の肥満細胞腫は、皮膚腫瘍の中では2番目に多い腫瘍です。典型的な肥満細胞の型をとるものと、組織球様の形態をとる場合があります。犬の肥満細胞腫の違いを教わりました。
 次に、非上皮性悪性腫瘍について、教わりました。診断が困難なことが多いなかでの所見を教わりました
 最後に軟部組織肉腫についての講義がありました。
軟部組織肉腫は、軟部組織由来の肉腫を1つのカテゴリーにまとめたものです。軟部組織肉腫のグレード、転移率や、どのような細胞が認められるかを学びました。 

4月12日 iVEAT腹部超音波実習 11年04月13日

iVEAT 宮林 孝仁先生

今回は、プローブの持ち方や機械の扱い方などの基礎的なところに始まり、腹部臓器全般についての描出方法を指導して頂きました。順を追って一つ一つの臓器を描出してパターン化する事により、見落としが少なくなる事を再確認する事が出来ました。