南が丘動物通信

6/21 志学会セミナー 19年06月15日

当院では、患者様の症状に最適な治療を受けていただくべく、一流の病院を紹介させていただくことに取り組んでおり、その一環として放射線治療においては大阪府立大学 獣医臨床センター 様をご紹介させていただいております。今回は、大阪府立大放射線科の准教授である野口 俊介先生による放射線治療をテーマにしたお話をご紹介させていただきます。放射線療法とは、外科的手術、薬物治療と並ぶ癌の治療法のひとつです。人の医療においても広く用いられているため、名前を耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。当院にも、癌を患ったわんちゃん・ねこちゃんが多数来院され、日々治療を行っています。しかし、放射線治療を実施するためには特別な装置が必要で、限られた場所でしか治療を 受けることができません。大阪府立大は放射線治療を行うことができる施設のひとつです。

放射線治療とは、目に見えない放射線を使って腫瘍細胞を死滅させたり、痛みを和らげたりする治療法です。得意とするのは肥満細胞腫・鼻腔内腫瘍・メラノーマといった腫瘍になります。基本的には消化管腫瘍以外は全て適用できすが、中でも猫の鼻腔内リンパ腫は、放射線治療のみが唯一根治可能であると言われています。放射線治療が奏功した場合、生存期間が大幅に延びる可能性あります。放射線治療は、外科的手術や化学療法などと併用することもあり、長期戦になる場合もありますが、かわいいわんちゃん・猫ちゃんたちが一日でも長生きできるようしっかりサポートさせていただきます。大切な家族が癌だと診断されたら、ぜひご相談ください。たくさんの選択肢のなかから最適な治療法をご提示できるよう、日々情報収集に努めたいと思います。S.K