南が丘動物通信

ASC School ながたの皮膚科塾 第5回 精神皮膚科学 19年02月15日

5回目となる今回は、精神と皮膚との関係について学んで参りました。身体と精神には密接な関わりがあります。皮膚は身体の状態を反映する鏡ですので、良い皮膚をもつ動物は心身ともに健康な生活を営んでいると考えられます。今回の講義では、精神による皮膚病を他の原因による皮膚病と鑑別する方法をご教授頂きました。「かゆみ」を誘導する皮膚疾患はたくさんありますが、精神的要因で認められる皮疹には、決まりごとがあります。例えば、いつも舐めやすい・掻きやすい場所に病変が発生したり、毎日決まったタイミングで掻く、などの規則性が見られる場合が多いです。さらには、動物がストレスを感じるようなイベントが思い当たれば、その痒みは精神的要因が背景にあると考えてよいでしょう。

私たち人間は、ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、心身の健康を保つことができなくなります。難しいのは、ストレスの感じ方というのは十人十色で、同じストレスを受けて平気な人もいれば、病気になってしまうほどのダメージを受ける人もいるということです。実は、動物も同じなのです。思いがけないないことが、大事なペットのストレスになっている可能性があります。特に猫は、犬よりも神経質な子が多いと言われていますので、ストレスの原因を探る際には、ご家族みんなで話し合うことが必要かもしれませんね。S.K