南が丘動物通信

6月20、21日 第102回日本獣医循環器学会 第90回獣医麻酔外科学会 合同大会 15年06月22日

埼玉で開催された上記大会に参加してきました。
循環器学会、画像診断学会の合同シンポジウムでは、「心エコーの可能性を追求する」と銘打ち、現在の小動物臨床における心エコー検査の実際(あるいは限界)の話から、ヒト医療における心エコー検査の実際を講演して頂きました。小動物臨床においては、様々な品種、体格差があるため、基準値の設定が難しく、さらに動物が非協力的であった場合、正確な測定が困難であったり、検査に鎮静が必要となったりと、あらゆる制約を受けざるを得ません。一方、ヒト医療においては、心エコー検査は、心臓内科医、外科医、検査技師などの間の「共通言語」として普及しており、患者の病態を共有し、手術の計画を立てるなどの治療方針を決定していくツールとしては欠かせないものとなっているようです。そういった状況で、ヒト医療では心エコー検査はどんどん進化しており、その中でも3Dエコーは、昨今小動物臨床においても徐々に増えつつある心臓外科手術において、手術計画を立てるのに非常に有用なデバイスであると感じました。まだ小動物臨床にそのまま応用できるわけではないでしょうが、今後の動向に注目していきたいと思います。        T.H.