南が丘動物通信

3月12、13日 JCVIM/JSVCP/JSVD 2011年次大会 11年03月15日

3月12、13日
日本獣医内科学アカデミー/日本獣医臨床病理学会/日本獣医皮膚科学会の合同年次大会に参加しました。
大きい学会の中で、様々な講演を受けました。
特に、テキサス大学の山崎淳平先生による、リンパ腫の再発およびコントロールなどの指標となるMRDについての発表が興味深かったです。
MRDとは、微小残存病変といい、抗癌治療後の寛解時に一般的な方法では検出できない残存腫瘍細胞のことを指します。方法としては、症例特異的な遺伝子を特定し、それを利用してPCRによって末梢血中の微小な腫瘍細胞を検出、定量するというものです。
今のリンパ腫のグレード分類では、StageⅤ以外は、末梢血中に腫瘍細胞は存在しないという概念でありますが、このMRDレベルを末梢血中で測定した際、Stageに関係なく、MRDが検出されたそうです。
また、抗癌剤治療などによって、寛解になった症例においてのMRDレベルを測定することで、抗癌剤の効果の評価や、再発の予測などに繋がる可能性があります。
この検査を行うことによって、リンパ腫の治療の向上が期待できる素晴らしい研究であると感じました。