南が丘動物通信

11月15日 獣医師会セミナー 09年11月15日

口腔腫瘍,耳道、上部気管疾患、に対する外科 犬と猫の腫瘍疾患に対する光線力学治療(PDT)の現状と課題

 日本大学 浅野和之准教授

今回は、朝から夕方まで、長時間のセミナーを受けることができました。
 まず、口の中の腫瘍の発生頻度や、生じた腫瘍の種類別の手術のコツを学びました。特に、口腔内腫瘍や鼻腔内腫瘍の悪性のものでは、腫瘍を切除するだけではなく、口の骨や鼻を切除する必要が出てくる場合があり、容貌が変化することがあります。愛犬、愛猫の容貌の変化は、飼主様にとって、重要なことの1つですので、このセミナーで学んだことをいかして、より分かりやすい説明を、飼主様にご提供できればと思います。
 次に、耳に対する外科的手技と、そのコツを学びました。耳は、外耳炎、腫瘍、肥厚、ポリープ等様々な原因で、外科的手術を選択する場合があります。耳の手術法の適応症や術式の長所、短所はとても勉強になりました。 また耳の手術は神経の近くであるということでの注意点、またどのように手術をすすめていくのかを学びました
 気道疾患に対する外科は、鼻が狭窄している場合の、鼻の整復法や、軟口蓋過長、喉頭麻痺、気管虚脱といった、比較的普段の診察の中で、数多く治療している疾患の、貴重な内視鏡の画像や手術について学びました
 最後にこれからの獣医診療において注目されるだろう、PDT(光線力学治療)について、学びました。PDTは、まだ動物の世界では新しい分野で、これからの課題が多くありますが、外科的治療を選択できない、またはしたくないという動物たちの飼主様にとって、もう1つの選択に将来的になりえるのでは、と感じました。