南が丘動物通信

10月20-22日 JAHAセミナー 09年10月24日

JAHA神経外科
Dr. Cruits Dewey Cornel大学

今回のセミナーでは、犬の頭頚部の疾患とその外科手術についてのセミナーでした。
尾側後頭部奇形症候群とはキアリ様奇形とも呼ばれており、犬での報告は最近になってからですが、小型犬、とくにキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに多いといわれています。頭蓋の尾側後頭部の先天的奇形の結果、小脳のヘルニアや能脊髄液の流れが閉塞されることによって脊髄空洞症、脊髄内液体貯留を発現します。
症状としては、頭頚部の感覚過敏、前肢の筋力低下、後肢運動失調、持続性の引っかき行動、顔面神経麻痺などがみられます。
重篤度によって、外科手術が適用かどうかは分かれますが、手術によって奇形による圧迫を取り除く手術が適用されます。しかしながら、まだ25%の症例で術後に瘢痕組織形成が起こり、再手術が必要となるそうです。
最近報告されるようになった疾患ですが、最新の知識を得ることができたので、このような疾患を見逃さないよう様々な可能性を考えながら診療していきたいです。