南が丘動物通信

どう使い分ける?CKDの犬の投薬管理 21年11月12日

日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室第2・付属動物医療センター腎臓科 宮川優一先生

慢性腎不全で必要とされる治療や治療薬はいくつかあげられますが現状を正しく把握して、適切な治療を選択することが大切です。腎不全の治療は大きく分けて2種類あります。1つ目はCKDの原因を治療するもので感染(FeLV,FIV,FIP、賢孟腎炎)、尿道閉塞、尿管結石による閉塞性腎症、腎結石、低カリウム血症、多発性囊胞腎、先天性腎疾患(奇形)、糸球体疾患などの治療で、2つ目は進行要因を抑制・除去するもので体重減少、リン・カルシウム代謝異常、高血圧、蛋白尿、脱水、代謝性アシドーシス、貧血、尿毒症などの治療です。例として腎不全で高血圧がある子に対しては血圧をコントロールすることで腎不全の進行を遅らせることができる可能性があります。また別の症例は腎異形成と呼ばれる先天性疾患をもつ子で腎臓の機能が低下している状態でした。確定診断は腎臓の生検をするしかありませんが超音波検査である程度判断することができます。一言に腎不全といっても原因も複数あり、また、進行要因もその子によって異なる場合もあります。気になる点や相談したいことなどある場合にはお気軽にご連絡ください。

K.G