南が丘動物通信

7月25日葉月会セミナー 17年07月25日

猫の獣医学シリーズセミナー

エピソード1 猫の感染症とワクチネーション Vol.2

石田卓夫先生

今回のセミナーでは主に外出する猫ちゃんに接種するワクチンであるFeLV・FIVに関してとそれに加えて最近話題になったダニ媒介性ウィルスである重症熱性血小板減少症候群に関しての講演をしていただきました。

まずFelVは猫白血病ウィルスといい、持続感染が起こってしまった猫の致死率は6か月で30%、2年で60%、4年で90%といったとても恐ろしい病気です。ただし、持続感染に対して猫の年齢によって抵抗性が異なり、新生児では70-100%、8-12週齢では30-50%、制猫では10-30%といったいわゆる子猫に対して特に致死率の高い病気といえます。次にFIVは猫免疫不全ウィルス感染症といい、キャリアーとなった猫の約18%が毎年発病している状況にあります。症状としては慢性的な口内炎や原因不明の熱、体重減少、貧血等が挙げられます。FeLV・FIVのどちらにしてもキャリアーとなった猫との接触を断つことによって感染を防ぐことができるので基本的には室内飼育が1番となりますが、外に出る場合にはやはりワクチン接種が重要になってきます。ただし、特にFIVワクチンに関しては100%の予防は不可能であるためリスクはワクチンを打っても0%にならないので患者さんには室内飼育を依然として強くお勧めしていこうと思いました。

S.A