南が丘動物通信

7月27日 第157回JAHA国際セミナー 17年07月28日

「腎臓病学〜Dr. Cowgillが考える腎臓病の現在と未来〜」

講師:Dr. Larry Cowgill Professor University of California-Davis

大阪で開催された上記セミナーに参加しました。セミナー3日目であるこの日のテーマは「獣医療における体外療法の役割」でした。体外血液浄化療法とは、患者の血液を体外の回路に導出し、体液中の病原物質を排除する方法であり、代表的なものに血液透析治療があります。主に急性腎障害の治療に用いられますが、その他にも、水分平衡異常の是正、電解質および酸塩基平衡の是正、急性中毒症の治療といった目的にも血液透析は適用できる場合があります。今回のセミナーではそれぞれの目的別にその適用と透析処方の詳細について理解を深めることができました。当院での透析治療に活かしていきたいと思います。

H.B.

7月25日葉月会セミナー 17年07月25日

猫の獣医学シリーズセミナー

エピソード1 猫の感染症とワクチネーション Vol.2

石田卓夫先生

今回のセミナーでは主に外出する猫ちゃんに接種するワクチンであるFeLV・FIVに関してとそれに加えて最近話題になったダニ媒介性ウィルスである重症熱性血小板減少症候群に関しての講演をしていただきました。

まずFelVは猫白血病ウィルスといい、持続感染が起こってしまった猫の致死率は6か月で30%、2年で60%、4年で90%といったとても恐ろしい病気です。ただし、持続感染に対して猫の年齢によって抵抗性が異なり、新生児では70-100%、8-12週齢では30-50%、制猫では10-30%といったいわゆる子猫に対して特に致死率の高い病気といえます。次にFIVは猫免疫不全ウィルス感染症といい、キャリアーとなった猫の約18%が毎年発病している状況にあります。症状としては慢性的な口内炎や原因不明の熱、体重減少、貧血等が挙げられます。FeLV・FIVのどちらにしてもキャリアーとなった猫との接触を断つことによって感染を防ぐことができるので基本的には室内飼育が1番となりますが、外に出る場合にはやはりワクチン接種が重要になってきます。ただし、特にFIVワクチンに関しては100%の予防は不可能であるためリスクはワクチンを打っても0%にならないので患者さんには室内飼育を依然として強くお勧めしていこうと思いました。

S.A

7月22日 葉月会腫瘍学セミナー 17年07月23日

下顎切除の実際

酪農学園大学 廉澤 剛 先生

今回は、口腔内、特に下顎に発生した腫瘍に対する外科治療についての講義でした。口腔内に発生する悪性腫瘍の多くは顎骨に転移するため、治療の第一選択は顎骨切除となります。顎骨切除は術後の容貌のゆがみや摂食の不具合を起こさないようにするのが重要となります。さらに手術の際は、出血のコントロールが非常に重要となります。今回の講義では、実際の手術の動画を使って手術の際に注意するポイントを解説して頂きました。今後の診療に活かしていきたいと思います。

T.H.

7月7~9日 WJVF第8回大会 17年07月14日

ホテルニューオータニ大阪で行われました。9日(日)に参加いたしました。若い人たちの参加もおおく刺激になります。下田哲也先生の猫の貧血の鑑別診断を拝聴しました。復習のつもりで聞いていましたがはじめて聞いたこともあり勉強になりました。腎性貧血におけるヘプチジンの状態が把握できました。ずいぶん以前になりますが1990年ごろにカルシトリオール療法が流行りましたが最近はあまりきかなくなっていました。カルシトリオール投与については今後再認識していく必要があると思われました。

S.S

7月12日 上田先生の輸液療法セミナー 17年07月12日

腎臓疾患患者に対する輸液療法

カリフォルニア大学デービス校 

米国獣医救急集中専門医 上田悠先生

今回もアメリカの救急医療現場で活躍されている上田先生によるウェブセミナーでした。                       

腎臓疾患は日常的に遭遇する機会が多く、そのため輸液療法を実施することが多いのですが、ほぼルーチンの作業になっているだけに新たな知識を得ることもせずにいたために復習と知識の吸収の2つの面で良い機会になりました。

輸液療法はまず輸液製剤の種類を把握してどのような働きをしているか、そしてその投与量をしっかりと計算することが大事です。なぜなら腎疾患においては血圧を維持して腎への血流量を増加させることがなにより重要だからです。具体的な血圧の目標や、薬剤の使用方法など確認することができました。

毎日の診察に活かしていこうと思います。

T.S.

7月1日・2日 第17回日本獣医がん学会 17年07月03日

東京で行われた上記学会に参加してきました。今回のメインシンポジウムでは、「消化器型リンパ腫(犬・猫)」をテーマに石田卓男先生(赤坂動物病院)や小林哲也先生(日本動物がんセンター)など多くの方々の講演を聞くことができました。慢性腸炎と消化器型リンパ腫の症例では、ともに慢性の下痢や嘔吐、食欲不振などの消化器症状を呈しますが、両者を鑑別することは治療の観点からも予後の予測という観点からも非常に重要となります。また消化器型リンパ腫の中には低悪性度のものから高悪性度のものまで様々な分類があり、私たち臨床獣医師が実施する超音波検査ガイド下FNAや内視鏡検査および外科的開腹による生検が確定診断に有効となります。今回の講演では、これらの分類の詳細や生検のポイントなどについて理解を深めることができました。

また興味深かったのは、近年の研究で犬の消化器型リンパ腫と慢性腸炎には人のセリアック病と類似点があり、仮説段階ですがこれら2つはグルテン分子などの食事由来の抗原刺激により惹起された炎症による一連の症候群である可能性があるとのことです。

H.B.