南が丘動物通信

10月20-22日 JAHAセミナー 09年10月24日

JAHA神経外科
Dr. Cruits Dewey Cornel大学

今回のセミナーでは、犬の頭頚部の疾患とその外科手術についてのセミナーでした。
尾側後頭部奇形症候群とはキアリ様奇形とも呼ばれており、犬での報告は最近になってからですが、小型犬、とくにキャバリア・キング・チャールズ・スパニエルに多いといわれています。頭蓋の尾側後頭部の先天的奇形の結果、小脳のヘルニアや能脊髄液の流れが閉塞されることによって脊髄空洞症、脊髄内液体貯留を発現します。
症状としては、頭頚部の感覚過敏、前肢の筋力低下、後肢運動失調、持続性の引っかき行動、顔面神経麻痺などがみられます。
重篤度によって、外科手術が適用かどうかは分かれますが、手術によって奇形による圧迫を取り除く手術が適用されます。しかしながら、まだ25%の症例で術後に瘢痕組織形成が起こり、再手術が必要となるそうです。
最近報告されるようになった疾患ですが、最新の知識を得ることができたので、このような疾患を見逃さないよう様々な可能性を考えながら診療していきたいです。

10月17日 葉月会セミナー 09年10月18日

症例検討会
酪農学園大学 廉澤 剛教授

・尿道の移行上皮癌
・先月の手術症例
についての症例検討を行いました。

症例の尿道鏡の画像やCT画像を元に手術計画を伺いました。
また、先月の手術症例では手術のビデオを見ながら解説していただきました。

症例に対して診断から治療まで系統だってアプローチする貴重なトレーニングになりました。

10月15日葉月会セミナー 09年10月15日

IDEXX・日本小動物医科学研究所検査部長 平田 雅彦先生

今回は、白血球の種類やその見分けかたを学びました。血液検査で、その血液を顕微鏡でみると、白血球、血球、血小板が見えます。その見え方で、いま、その動物に何が起こっているのかを推測できる大きな手がかりになることが数多くあります。それゆえに正確に理解する必要があるのですが、白血球は、状態によっては、種類が異なっても似たような形態をとったり、同じなのに、違った形態をとったりすることがあり、頭を悩ませています。今回は、その違いを系統だった形で学ぶことができました。

10月10日 葉月会セミナー 09年10月11日

犬のアトピー性皮膚炎の診断
東京農工大学 農学部 獣医内科学教室 教授
岩崎 利郎 先生

シリーズ3回目の今回は、犬のアトピー性皮膚炎の診断についてご講義頂きました。
アトピー性皮膚炎の定義や、その類症鑑別、おちいりやすいピットフォールについて
詳細に解説頂きました。
今後の診療に役立ててゆきたいと思います。