南が丘動物通信トップ

カレンダー

2024年06月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

最近のエントリー

1月27日 志学会Webセミナー 皮膚ケア用療法食「オールスキンバリア」のすべて

カテゴリー:セミナー

23年01月28日

今回は日本ヒルズ・コルゲート株式会社 奥田展子先生より皮膚ケア用の療法食として新発売された『オールスキンバリア』についてご講演頂きました。

診療で目にする皮膚疾患として、細菌・真菌感染、ノミ・ダニなどの外部寄生虫感染、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などが挙げられます。この中で食物アレルギーや環境アレルギーによる皮膚疾患においては、原因物質の特定のためにアレルギー検査をしたり、除去食試験の反応をみたりと個々のワンちゃんに合わせた療法食の選択に時間と費用がかかっていました。「オールスキンバリア」は、皮膚・被毛のケアをしながら、環境・食物アレルギーにも対応できる新たなフードの選択肢として期待されます。今回はオールスキンバリアの主な特徴を紹介します。

1つ目の特徴は、健康な皮膚を維持するために必要な栄養素が豊富に含まれていることです。皮膚のバリア機能の維持や役立つ必須脂肪酸(ω-3脂肪酸・ω-6脂肪酸)、ビタミンAや亜鉛などに加えて、抗酸化成分・ポリフェノール・卵を組み合わせた独自の栄養ブレンド"ヒスタガード"を含有しており、皮膚・被毛のための栄養素がたっぷり含まれています。

2つ目の特徴は、単一の動物性タンパク質として鶏卵を使用していることです。鶏卵は必須アミノ酸のバランスが良く、生物価が高い良質なタンパク質の摂取ができます。また、食物アレルギーの原因抗原として卵は稀であるため、より多くのワンちゃんに対応できます。

これまで「オールスキンバリア」を試したワンちゃんでは、引っ掻き行動が減少し、睡眠の質の向上や便スコアが良くなったという報告もあるそうです。

ただし、オールスキンバリアは既に卵アレルギーと分かっているワンちゃんにはおすすめされません。また、脂質が高いため膵炎の既往歴があるワンちゃんには推奨されませんが、あらゆる皮膚疾患でお悩みのワンちゃんに対応できる療法食の選択肢として期待されます。ご興味のある方はぜひ獣医師までご相談いただければと思います。

D.N

RIMG6650.JPG