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最近のエントリー

2020年 1月28日 葉月会 参加報告

20年01月29日

今回はシリーズセミナー「基礎から学べる臨床歯科」戸田 功先生の講演を受けました。

歯科疾患の発生率は3歳以上の犬猫において約8割以上と言われており、中型犬や大型犬と比べて小型犬で多く発生する傾向がある。

特に小型犬では顎骨が小さいことによる歯周病、それに伴う顎骨折が多いとされています。

対して中大型犬では破折歯が多く発生しています。

口腔内疾患を見抜くには動物たちのさりげないサインを見逃さない事です。

(例:口を触ると痛がる、食べ方がおかしい、眼の下や顎が腫れてきた、口腔内に出来物など)

早期に発見ができれば、予後が良好になるケースもあります。

動物たちとの日々のデンタルケアが大事であり、幼いころから慣れさせ、スキンシップのひとつとして定着させておきましょう。

H.F

1月25日・26日日本獣医再生医療学会/第15回年次大会

カテゴリー:セミナー

20年01月28日

ビジョンセンター横浜にて日本獣医再生医療学会が行われました。当院からは症例検討会に須藤獣医師が「活性化リンパ球療法を実施し長期生存が得られた組織球肉腫のフラットコーテッドレトリーバーの1例」を発表しました。25日は教育講座が行われ基礎的な部分も集中して26日は症例検討会、学術発表会、再生医療に関わる多くの講演など盛りだくさんで、愛知県がんセンター研究所の籠谷勇紀先生によるヒト医療におけるがん免疫療法の最新の知見とその将来遺伝子改変における持続的治療効果を有する抗腫瘍T細胞の開発はとても興味深く聞かせていただき、ヒト免疫療法の進んでいることに驚かされました。開業獣医師、アカデミアなどを問わず良い学会が持て、たくさんの方々にご参加いただけたことに理事の一人として感謝いたします。  S.S

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1月18日 葉月会 臨床腫瘍学シリーズセミナー

20年01月18日

第5回 体位と適切な外科アプローチ法

廉澤剛先生

今回は腫瘍学の第5回目のセミナーで、教科書ではあまり書いていないようなアプローチが難しい腫瘍が中心の講義で、外科的アプローチが難しい腫瘍を安全かつ確実に摘出するために必要な解剖の理解が深まり大変ためになるセミナーでした

甲状腺癌は血管の豊富さや後喉頭神経が近くを走っているので、これを切ってしまうと喉頭麻痺を起こしてしまいます。神経がどのように走っているのか、どうアプローチすれば出血しにくいのか、実際の手術中の画像を用いて説明されていたので、理解しやすかったです。

胸腺腫や直腸の腺癌も同様に、周囲の血管や神経の分布を細かく説明していただき、次に解説していただいた腫瘍に出会ったときは、安全なアプローチをするために必要な解剖の知識を数多くの画像と共に解説していただいました。実際出会うことはあまりない腫瘍のアプローチ法でしたが、手術は難しく教科書にあまり書いていない内容が多く、非常に実践的なセミナーとなりました。

Y.N

1月17日 志学会月例会

カテゴリー:セミナー

20年01月17日

志学会の1月の月例会に参加させていただきました。

講師は大阪府立大学の西田 英高先生です。

「歩行診断のコツ~MRIがなくてもここまでできる~」という演題のもと、歩様の変化から疾病を読み解く方法を教えていただきました。

歩行異常の大半は、神経疾患、整形外科疾患、腫瘍・炎症疾患のいずれかに当てはまります。

それぞれへのアプローチの仕方について、たくさんの症例動画をもとに丁寧に解説していただきました。

歩行異常を呈している犬を診る機会は非常に多いですが、神経学的検査やレントゲン検査など非侵襲的な検査で確定診断を得ることは困難な場合がほとんどです。

しかし、MRIに頼らずともある程度の精度でもって診断を下し、より早く適切な治療を施せるよう日々情報収集に努めたいと思います。

S.K

2020年1月11~12日 秋季合同学会

20年01月15日

先日、獣医療における4分野(循環器、画像診断、麻酔外科、内視鏡)の合同学会が大阪国際交流センターにて開催されました。

今回、私は循環器認定医講習会では大学講義でもなかなか聞くことができない心臓の発生過程から正常・異常心電図までを受講してきました。

ヒトにおいては胎生22日心臓が拍動しまが、そこに至るまでの詳細な発生過程は未だ解明されていない部分が多く残っており、特に心臓には左心房、左心室、右心房、右心室の計4つの部屋に分かれる理由も、その明確な発生機序も不明な部分が多々あります。ちなみにハツカネズミは妊娠期間が約20日間ため、その分化の過程はヒトとは比べ物にならないくらい早い速度ですね。

学会発表では、やはり猫の尿管結石に対する治療法が目立っていました。

最近では猫の尿管結石が増えており、その外科手術には尿管切開術、尿管膀胱新吻合術、ステント設置、SUBシステム設置があり、症例毎にふさわしい選択をしますが、近年では特にSUBシステム設置術が広まりつつあります。

当院においても猫の尿管結石に対してはSUBシステム設置術を選択することが多く、良好な経過を辿っています。

H.F