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3月21-24日 世界獣医がん学会

カテゴリー:セミナー

24年03月24日

 世界各国に獣医がん学会が存在し、日本では1994年に日本獣医がん研究会が発足、そして2009年に日本獣医がん学会へと移行しました。これら組織をまとめる世界獣医がん学会連合会があり、45年に1回各国で世界獣医がん学会が開催されています。2020年に日本で開催予定でしたが新型コロナウイルス蔓延により中止となり、今回2024年に晴れて第4回大会を開催できることとなりました。

 全4日間の期間中は世界の研究者たちの研究発表が中心で、スペシャリストによる基調講演がありました。ほとんどの発表が英語でしたが、同時通訳のレシーバーも配布されたため、英語に疎い私でもなんとか発表についていくことができました。

印象に残ったのはやはり獣医病理界のレジェンドであるDr. Peter F. Mooreでした。今でもなお難治疾患である組織球性肉腫の研究の第一人者であり、先生の研究の歴史や造詣の深さに感銘いたしました。最終日では犬の尿路上皮癌に対する分子標的療法について東京大学の前田真吾先生と、Dr. Deborah W. Knappの講義でした。ベヌラフェニブ、ラパチニブ、モガムリズマブなどいくつかの分子標的薬が使用可能になりはじめ、尿路上皮癌の1年の壁を超えられるのも現実的になってきたことをうれしく感じました。

 日本、欧米、アジアなど多くの参加者で大会は非常に盛況でした。これからも最新の情報を取り入れてアップデートしていきたいと思っています。

DSC_1603.JPG

T.S.