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最近のエントリー

10月25日 葉月会 循環器学シリーズセミナー

カテゴリー:セミナー

19年10月26日

菅野 信之先生 

動物循環器病センター センター長

菅野先生の循環器学シリーズセミナー第8回目は急性心不全への対応、というテーマでした。2019年のガイドラインの内容に準拠した内容+菅野先生の実際に行ってきた治療について、お話を聞くことができました。

心原性の肺水腫と診断された後、大筋としてはフロセミドの投与と酸素化を開始していきますが、いろいろな状況に応じた対応、たとえば喀血への対応(サクションを用いるときは、酸素まで吸ってしまい、酸素化の邪魔になるので、すったらすぐ抜く)や、息が荒く興奮してしまっている症例に対する鎮静の有効性など、臨床現場で役立つ具体的な講義をしていただきました。

また、講義中に「○○を使用している先生、手をあげてください」と会場の手が挙がる時間がありますが、他の獣医師の対応が知れることも興味深いものでした。

他にも、2019年のガイドラインで新たに追加された、ベンチレーション管理についても詳しく、レスピレータの設定まで理論的に知ることができました。

肺水腫は緊急の状態、かつ臨床現場で多く出会います。適切な治療・対応ができるように、最新の情報にアップデートできる良い機会でした。

M.K

葉月会 第13回犬の臨床病理シリーズ

19年10月23日

血液化学検査 内分泌編(アジソン病)

米国獣医病理学専門医 アイデックスラボラトリーズ株式会社 小笠原犬猫病院

小笠原 聖悟先生

今回の講演では前回、クッシング症候群・アジソン病の血液検査における変動とその理由に関してお話しいただいたことをしっかりと復習させていただきました。

実際の症例の血液検査の結果を用いて、どんな異常があるのか・そこにどんな意味があるのかを質問形式で受講者が答えていき、それに関して再度詳しくあるいは+αして説明いただく。といったいつもとは異なる形式での講演で、ちょっと抜けてしまったところをしっかりと根付かせていけたかと思います。

アジソン病はクッシング症候群と比べて症例数の多い病気ではありません。しかしながら一生涯にわたって付き合っていかなければならないという点で一致しており、飼い主様へのインフォームドコンセントがとても重要な疾患です。診断自体はつきやすいものの、その疾患によって今どういう状態なのか、また今後どういう状態が引き起こされる可能性があるかに関して今回の講演を通してさらに理解されやすいお話ができるようにしていきたいと思います。

S.A

10月14日JAHA年次大会2019

19年10月22日

東京大学でJAHA年次大会が行われました。残念ながら10/13は台風のため中止になりましたが、14日はなんとか無事行われました。年次大会の委員の方々には感謝いたします。JAHA流ラウンドに参加しました。猫の救急:循環器科、歯科の救急を聞きましたがなかなか興味深い知見が多く役に立ちました。子猫が感電し火傷を口腔内に負った症例は、骨壊死までおこしとても印象に残りました。猫ちゃんわんちゃん達コードをかじらないでね。認定医を目指すための症例発表会で当院も「猫の甲状腺機能亢進症における上皮小体の位置と手術法」62症例の発表をいたしました。まだまだ手術をされる病院がすくなく発表後質問を多くいただきました。残念ながら1日は中止になりましたが年次大会に参加できてよかったと思います

S.S

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10月18日 志学会 呼吸器

カテゴリー:セミナー

19年10月18日

気管虚脱は治るのか?~PLLPって何?気管外プロテアーゼの美味しい話・苦い話~

アトム動物病院 動物呼吸器病センター 米沢 覚 先生

今回は気管虚脱に関しての講義をしていただきました。気管虚脱とは気管軟骨の虚脱化・扁平化や膜性壁の伸長・下垂などにより気管の物理的狭窄が起こることで、発咳や呼吸困難などを生じる病態です。原因として考えられているのは遺伝的な素因、首輪をリードで引っ張るなどの慢性的な外的圧迫などがあります。好発犬種としてはヨークシャーテリア、ポメラニアン、チワワ、トイプードル、マルチーズなどが挙げられます。診断法としてはX線検査が主に用いられます。これまでは頸部から胸部にかけて呼気と吸気の場合を撮影して気管経を比べることで診断していましたが、今回はそれに加え補助的撮影法としてSky Viewという方法で気管の横断像を撮影し、評価する方法を学びました。治療としては、発咳を抑える内科的治療に加え、気管の虚脱を外科的に補正するステントやプロテーゼが用いられます。しかし、外科的治療には正しい知識が必要であり、胸部まで入れすぎてしまってステントが取れなくなり状態が悪化してしまった症例や手術自体は成功していても気管の血流が阻害されていまい、その結果、気管が壊死してしまった症例などの紹介がありました。今回の講義ではそうした様々な症例に関してお話を聞けました。今後、診察をする上で内科的治療で十分なのか、外科的治療が必要なのか。オーナーさんが求めていることは咳をとめることなのか。根治なのか。など今回の講義の内容を踏まえて考え、治療できるようにしていこうと思います。

K.G

10月11日 葉月会 腎・泌尿器学シリーズセミナー

カテゴリー:セミナー

19年10月12日

知っているようで知らない泌尿器疾患

10回 猫の下部尿路疾患、特発性膀胱炎

宮川優一 日本獣医生命科学大学 獣医内科学教室第二 講師

 シリーズセミナーの最終回になる第10回目は猫の特発性膀胱炎についてでした。猫の下部尿路疾患において半数以上は特発性膀胱炎と言われています。特発性膀胱炎は原因の特定が難しく、考えられる原因を除外しながら診断をつけていきます。講義では今想定されている交感神経活性の上昇にともなう病態を教えて頂きました。交感神経の活性化の一因にはストレスや疼痛が挙げられ、それらに対する対応も症例を交えて教えて頂きました。猫の下部尿路疾患は非常によく見る疾患の一つです。なりやすい病気で片付けるのではなく、日常の中に原因が潜んでいないか考え直させられるセミナーでした。 台風の中宮川先生ありがとうございました。

K.Y