南が丘動物通信

犬鞭虫症 14年07月06日

犬の鞭虫症は犬鞭虫(Trichuris vulpis)の虫卵を摂取することで感染する消化管内寄生虫症です。寄生した虫の数や他の寄生虫との混合感染によって症状の重さはそれぞれで、下痢、削痩、血便、蛋白喪失性腸症などさまざまな消化器症状を起こし、重篤なものでは直腸脱や副腎機能低下症に類似した低ナトリウム、低カリウム血症を起こすこともあります。検便によって診断を行いますが、便中に虫卵が断続的に排出されることや虫卵の比重が重いことから非常に診断が難しい感染症です。駆虫薬が有効で予後も良好ですが、フィラリア予防と同時に予防することも可能です。気になる方はフィラリア薬を選ばれる際に説明させていただきますので、ご質問ください。
K.Y