南が丘動物通信

人工保育 23年07月13日

産後の母犬の不調や育児放棄で哺乳瓶やカテーテルで子犬に給餌しなければならないケースはよくみられます。完全に母犬や兄弟と隔離され、人工保育でそだった子犬には許容限界や欲求不満限界の低さがみられる場合があるそうです。本来であれば乳頭をさがす苦労や兄弟との乳頭の取り合いによって苦労を生後間もなく学びます。哺乳瓶やカテーテルでは探索、取り合いの苦労、また吸乳の苦労もありません。すなわち空腹という欲求を満たすために探索といった苦労を乗り越え、満腹になって欲求が満たされるという学習過程を逃してしまいます。体調の悪い栄養の管理が必須な子犬はこの限りではありませんし体重の増加の妨げになってはいけませんが、元気な子犬であれば哺乳瓶を探させる、哺乳瓶の乳孔を小さめにして時間をかけさせる、途中でわざと中断するといった軽い欲求不満のトレーニングはのちの問題行動を減らすためにはいいかもしれません。K.Y