南が丘動物通信

脂肪酸のすすめ 20年10月04日

 必須脂肪酸と呼ばれる、体内で合成できない、食事などから接種しないといけない脂肪酸は、私たち人間でもその有用性が多く報告されていますね。

たとえばアルファリノレン酸の含まれるエゴマ油・シソ油、魚介類に含まれるDHAなどは有名ですね!

必須脂肪酸の中でも、とくにn-3系と呼ばれる脂肪酸は、

①炎症を抑える効果

②血流の改善

が知られており、関節炎の症例などでもよくサプリメントを使用して、実感として良好な反応を得られています。

 また、他に皮膚・被毛 心血管 腎臓 神経・認知機能の健康維持を目的に脂肪酸のサプリメントは効果が報告されています。

 先日、皮膚科学会の方でも脂肪酸の皮膚疾患における有用性の発表が行われましたが、

犬アトピー性皮膚炎や、猫の外傷性脱毛(食餌性や心因性のストレスなどいろいろな原因によって猫が自ら皮膚を舐めることで発生する脱毛症)、皮膚に限局する免疫疾患であある円盤状エリテマトーデスなどでも、脂肪酸投与で有効な反応が認められたようです。

 もちろん、皮膚の炎症を抑えるときのステロイドの投薬や、感染があった際の抗生剤の投与、免疫介在性疾患における免疫抑制剤などが必要な場合は一緒に行うべきで、サプリメントはあくまでも単剤で効果があるというものではなく、治療の補助を行うものではあります。

 しかし、脂肪酸のサプリメントという、ほとんど副作用の認められないもので、さらに皮膚の状態が改善するのであれば、積極的におすすめしたいですね。

 脂肪酸の摂取に関しては、脂肪酸を含むフードへの変更という手段もありますが、脂肪酸は酸化により劣化しやすいという特徴があるため、なかなかフードの管理が難しい部分があります。その点においては脂肪酸のサプリメントの方が、カプセルの中に入っているので、劣化で効果が弱まることは心配しなくてもいいですね。

 また、カプセルが飲めない子でも、中身だけ穴をあけて飲ませることもできるので、その点については心配いりません。

いまの治療に合わせて、脂肪酸を追加で与えてみたい方、通常は、効果が出るまで1月~などある程度の期間を飲ませていただきたいですが、まず試してみたい方は一粒からでも購入できますので、ぜひぜひご相談してくださいね。

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M.K