南が丘動物通信

新しいアトピー治療薬のご紹介 20年02月05日

今回は、新しいお薬のご紹介をさせていただきます。

アトピー性皮膚炎の特効薬として、2019年に認可されたばかりのお薬です。

その名も、「サイトポイント」。

アポキルでおなじみのゾエティスさんから発売されており、有効成分はロキシベトマブと言います。

簡単に言いますと、ロキシベトマブは「痒み」が細胞に伝わらないようにしてくれるお薬です。

アポキルの有効成分オクラシチニブが、痒みと炎症を惹起する複数のサイトカインを介した細胞内シグナル伝達を阻害することによって痒みを抑えるのに対して、ロキベトマブはサイトカインの中でもIL-31という物質にのみ作用するという違いがあります。

作用する部分が少ないということは、より副作用が少ないということになります。

最も大きな違いは、サイトポイントは注射薬であるという点です。

1回の注射で4週間効果が得られるとされています。おうちでの毎日の投薬が不要であるため、飼い主さまとわんちゃんのQOLの向上につながると考えられます。

もちろん、全てのわんちゃんに効果があるとは限りません。

また、アトピー性皮膚炎を根本的に治療するお薬でもないため、辞めてしまえば再び痒くなってしまいます。

しかし、なかなかステロイドの量を減らせなかったり、他の病気があるためにステロイドを使いたくなかったり、お薬をどうしても飲むことができないわんちゃんは、一度試してみる価値があるかもしれません。

当院でも一部の患者さんが使用しはじめており、手ごたえを感じております。

アトピー性皮膚炎でお悩みのみなさん、是非ご相談にきてくださいね。S.K