南が丘動物通信

椎間板ヘルニアにご用心。 18年12月31日

椎間板ヘルニアに季節性なんてあるのと思いますが寒くなると急に症例が多くなります。先日より7頭が手術が推奨される状態で来院、そのうち1頭がグレード4(自力排尿はできないが痛覚はある)、4頭がGrede5(痛みも感じない)でした。ひどくなりやすい犬種としてはダックスフントが有名ですが、ほかの犬種でもなります。3~8歳が多発年齢で、あっという間に進行します。グレードや経過時間によって回復率や回復にかかる期間が変わりますので早期発見早期治療が大切です。重度な症例はCTやMRIで確定診断し手術を行います。程度によって治療法も変わります。以前はステロイド療法が行われていた時期がありますが、今は否定的な研究がほとんどです。狭いところに閉じ込めることなしに痛みを抑えると状態がかえって悪化するため推奨されていません。ビタミン剤、抗酸化作用薬、ATPなどの内科治療のほか、鍼、リハビリ、レーザー、オゾン療法、再生医療の幹細胞療法などの治療が行われ成果を上げています。異常をおこしたら、とくに立ち上がることができなければ早期の診療をお勧めいたします。手術の可能性がある場合は食事を抜いて来てくださいね。

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