南が丘動物通信

犬の変形性関節症 17年09月23日

犬の関節症には、非炎症性と炎症性のものがあり、炎症性の関節症には関節リウマチに代表される非感染性のものと、感染性のものがあります。運動器の大部分の障害は非炎症性のもので、外傷性のものと、変形性関節症と呼ばれる変形性の関節症に分けられます。非炎症性の関節症の多くは非炎症性で、成犬の2割以上が症状の有無にかかわらずり患しているといわれています。

変形性関節症では、関節の不安定や加齢で起こり、高齢件によくみられる疾患です。軟骨下骨の硬化や軟骨のびらん・潰瘍が生じることによって、それを再生しようと関節周囲に新しい骨ができることによって関節が変形し、その結果痛みが出てくることによって関節の機能が低下してしまいます。このことで、関節が変形し、骨の炎症によるもののほかに、骨同士が接触してすれてしまうことによって起こる痛みが出てきます。よって基本的には症状は痛みからくるものなので、治療では疼痛管理が重要になってきます。

しかしながら、特に高齢の犬では内服の痛み止めを使ってしまうことによって血管が収縮すると、血流の悪化が起こり膵炎を起こしてしまうことがあります。また根治的治療ではありませんので、基本的には常に痛み止めを利用するんのではなく、体に優しいサプリメントや、体重管理などによって痛みの緩和をし、機能的保護を行っていきます。

わんちゃんの高齢化にしたがって老化からくる病気も増えてきています。変形性関節症はその1つといえる疾患ですがもちろん高齢犬の跛行の原因のすべてがそうではありませんのでちゃんとした診断が必要です。高齢になってきて、動く時間が減ってきた、散歩のときに歩き方に違和感を覚えるようになった等あればご相談ください。

S.A