南が丘動物通信

産後の母イヌの痙攣は気をつけて 16年06月19日

産後の母イヌにあえぎ、ふるえ、痙攣などが現れることがあります。これは胎子や乳汁にカルシウムをとられて、産褥低カルシウム血症をおこしているかもしれません。初期症状が出ると、数時間で、強直性・間代性痙攣と眼球震盪を伴うテタニーに進行します。テタニーが起こる状態になると、心拍数、呼吸数、体温が上昇して、急速に病状が悪化して、治療しないと死亡してしまうケースもある緊急疾患です。またそれ以外は母子ともに異常を起こさないので気づきにくいところもあります。特に小型犬、産子数の多い子、泌乳量の多い産後1~3週間は気をつけましょう。

治療としてはカルシウムの静脈注射と母親にしっかりご飯を食べさせることです。母親には自由採食か13回しっかりご飯をあげましょう。また症状がでたら半日以上哺乳させず、母親を休ませます。人口乳で補助してあげるといいでしょう。最後に妊娠期に経口でカルシウムの投与はしてはいけません。これは産褥低カルシウム血症を悪化させることがあるためです。K.Y