南が丘動物通信

バベシア症 15年10月18日

バベシア症とはバベシア原虫(Babesia gibsoni , Babesia canis)が赤血球に寄生することにより起こる疾患である。主な感染経路はマダニが吸血する際にマダニの唾液とともに体内に侵入することにより感染が成立します。また、感染血液の輸血によっても感染が起こります。

主な症状としては、甚急性の場合、食欲不振、衰弱した後にショックまたは昏睡状態に陥り死亡する。急性症の場合、溶血性貧血、発熱、食欲不振、衰弱がみられる。また、黄疸、点状出血および肝臓や脾臓の主題がみられることもある。急性の貧血の場合、播種性血管内凝固(DIC)や代謝性アシドーシス、腎疾患を示すこともある。慢性感染では体重減少、食欲不振がみられる。

バベシア感染の診断方法はギムザ染色した血液塗抹上の赤血球中に虫体を証明することにより行われます。しかし、重度の溶血性貧血がある場合においても末梢血への原虫出現が低く、診断が困難な場合があります。PCR法は感度の高い検出法であり、鑑別診断にも有用です。

治療法としてはジミナゼンが第1選択薬として用いられるが神経症状、肝障害、腎障害、疼痛などの副作用があるため、使用には注意を要します。また、治療後も体内から一掃はされず、再発がみられることがあるため、予防が非常に重要だと考えられます。

予防はマダニの寄生を避けることであり、飼い主様には忘れずにノミ・ダニ駆除薬を使用していただくことをお勧めしております。

D.T