南が丘動物通信

横隔膜ヘルニア 14年10月19日

横隔膜ヘルニアは横隔膜が裂開することにより腹腔臓器が胸腔内に入り込むことによって起きる。猫での発生が高く、交通事故や高所から飛び降りることによる発生が多い。先天的な発症は稀であるが、横隔膜の一部が欠損することで起こる。
症状はヘルニア孔の大きさと位置、脱出した腹腔内臓器の容量、肺や心臓の圧迫の程度により軽度から重度の症状を示す。ヘルニア孔が大きく多量の臓器が脱出した場合はチアノーゼ、起立困難、ショック症状などの重い症状がみられ、ヘルニア孔が小さい場合は呼吸速拍や食欲不振などの軽い症状がみられる事が多い。
診断はX線診断、エコーによる胸腔内への臓器の脱出を確認することが出来る。
治療は基本的にはすべて手術によって行われる。慢性経過の横隔膜ヘルニアでは緊急手術の必要性はないが、胆道閉鎖、胃捻転、腸捻転などが発症した場合は緊急手術が必要となる。手術が順調に終了した場合は予後は比較的良好である。

D.T