南が丘動物通信

鳥の皮膚病 13年11月10日

鳥にもたくさんの病気が存在します。感染症,そのう炎,卵詰まり,毛引き症,痛風,結膜炎,アボカド中毒,アルカロイド中毒,腫瘍などなどです。今回は非感染性の皮膚や羽の疾患について少し紹介します。

●換羽障害
オウム類の換羽は,飛行能力を損なうことなく1年を通じて進行します。オウムの場合,換羽は春先から夏にかけてピークを迎えます。ホルモンバランスに障害があると換羽のパターンが不規則になったり,換羽が全く起こらなかったり,羽毛が変色するなどの異常が見られます。換羽の際,鳥がかゆみから羽毛をついばんだり,引っ張ったりする事がありますがこれは異常ではありません。羽毛のコンディション維持には十分な栄養摂取が大切で,特に硫黄加アミノ酸の摂取が重要です。

●毛引き症
これは皮膚・羽毛の疾患,掻痒を伴う代謝障害が起こっているか,または飼育環境に問題があるときに見られます。運動・刺激の不足,性的な欲求不満,攻撃性を抑圧されたとき,オーナーが変わった,食事内容の変化,ケージの位置の変化などが引き金になることがあります。たいていの場合,頭と頸だけに羽毛が残った状態になります。治療はまず,可能性のある疾患の治療を行い,次に環境面の原因を取り除くと同時にビタミンの補給を行います。玩具を与える,ラジオを流す,他の鳥を同伴させるなどで鳥の気を散らす方法や,エリザベスカラーの装着,羽に苦い味のするスプレーをかけたりもしますが,常に成功するとは限りません。毛引きが癖になってしまうと大変治りにくいので,なるべく早めに治療を始めてあげましょう。
                                                            M.M.