南が丘動物通信

猫の甲状腺摘出(甲状腺機能亢進症) 13年05月02日


猫の甲状腺機能亢進症による甲状腺摘出手術が続きます。今回の症例は15歳の男の子です。
左甲状腺の肥大が認められました。
甲状腺機能亢進症の治療として、食事療法、抗甲状腺剤による内科療法、放射性ヨード療法、外科療法があります。
食事は、ごく初期のものの維持、手術後の反対側の再発予防に使用して効果をあることが期待されます。
内科療法は手術が困難な症例の維持、手術するまでのコントロールとして使用されます。
放射性ヨード療法は素晴らしい方法ですが現在 の日本における法律では行うことはできません。
長期間の維持または治癒をめざすのであれば手術が必須です。
しかし上皮小体を残すことが難しい手術であることが普及の妨げになっています。
また前もって放射性物質をあたえ甲状腺のある場所をあらかじめ知っておくことは日本ではまだできないため、場合によっては開けてみたけれど胸の中にあったというようなことがまれにあります。
手術のメリットは長寿だけでありません。術後の甲状腺の維持の薬は95%以上で必用がなくなり、費用面でも経済的です。