南が丘動物通信

ハムスターの腫瘍 13年03月21日

ハムスターといった小さな動物でも、人や動物と同じく腫瘍ができることがあります。腫瘍には良性腫瘍と悪性腫瘍があります。そのどちらでも、皮膚に出来た場合大きくなったり、腫瘍が潰瘍になったりします。そのような場合ハムスターが不快に感じ自傷行動を行ったり、浮腫みや歩行困難になったりします。お腹に出来た場合、かなり大きくなり肉眼でわかるくらいになって発見されることが比較的多いと思われます。
 腫瘍の治療は、外科手術、抗がん剤治療、放射線治療、温熱療法、免疫療法、サプリメント療法などがありますが、ハムスターという小さな動物では、治療の選択は限られており、主に外科手術やサプリメント療法になります。外科手術では、ハムスターに麻酔をかけて手術しますが、麻酔も呼吸管理が他の動物と異なり、気管チューブをいれることが出来ませんので、かなり注意深くしなければなりません。また手術も、ハムスターの一般状態が手術に耐えうることや、手術することで改善や完治が期待できる症例のみの適応になります。場合によっては、人に触らせないハムスターでは術後管理が困難なため、手術適応外になることもあります。手術は、体温を奪わないように、短時間で行うことが望ましいです。皮膚の腫瘍の中には当院にあるCO2レーザーといった、レーザーが簡便に腫瘍を摘出することが出来、とても役にたつことがあります。
 サプリメント療法は、外科手術が出来ない症例や外科手術後の悪性腫瘍に対する治療で行われる療法です。効果は様々ですが、ハムスターといった小さな動物では重要な治療法です。
 外科的手術は、腫瘍が小さければ短期間行うことが可能で術後も良好な場合が多いです。
 ハムスターは、背中の部位しか普段みることはありません。日頃から食事の管理や、仰向けでの健康チェックなどを気にしていただければ、と思います。