南が丘動物通信

ウサギの流涙症 11年06月01日

ウサギの流涙症の原因は大きく以下の2種類に分けられます。

①結膜炎や角膜損傷、眼瞼炎などによる涙の産生の増加。
 ②鼻涙管の狭窄や閉塞による涙の排泄障害。

ウサギでは鼻涙管の狭窄・閉塞による流涙症が多く、これらは上顎臼歯の歯根の過長・炎症などの歯の異常に起因することがほとんどです。鼻涙管の狭窄・閉塞に起因する流涙症は片側性に発生することが多く、やがて両側性になることも多いです。これは左右の臼歯を均等に使っていないことが原因で、右を使う癖のある場合は右の流涙症が先に生じると考えられます。通常結膜炎は見られませんが、鼻涙管狭窄から鼻涙管や涙嚢に細菌感染がおこると炎症が結膜に波及して結膜炎を起こすこともあります。

鼻涙管狭窄・閉塞の治療は鼻涙管の洗浄をすることによって行います。洗浄によって閉塞物が流し出せれば、流涙は改善消失します。しかしながらもとの原因が歯根にあることが多いので改善しない場合や再発する場合もあります。流涙が改善しない場合、涙による湿性皮膚炎を防ぐために涙を拭ってあげることが重要になります。