南が丘動物通信

猫の前ぶどう膜炎 10年11月30日

前ぶどう膜は虹彩、毛様体および脈絡膜からなる眼内の層です。
前ぶどう膜に炎症が起こると、痛みを伴うため、羞明といってまぶしがる症状がみとめられたり、充血、角膜の混濁、縮瞳などが見られます。また、フィブリン塊や出血が前眼房に認められたりします。
炎症が激しく起こると、二次的に緑内障を起こしてきたり、失明する可能性もあります。
眼に対する治療としては、散瞳剤および抗炎症剤を使用して、炎症を抑えるとともに二次疾患を防ぐ必要があります。
猫のぶどう膜炎の原因としてはいろいろなものがありますが、その中で最も多いものとしては、ウイルス感染症です。猫伝染性腹膜炎、猫白血病などに伴って発症することが多いですので、ウイルス疾患があるかどうかをきっちり鑑別する必要があります。
眼の症状を呈していても全身的なものが原因となっている場合がありますので、きちんとした検査が必要になってくる疾患です。